オランダRoyal Philips Electronicsは,ソニーからメモリー・カード「メモリースティック」技術に関するライセンスを取得したと米国時間8月19日に発表した。Philips社は同技術を,プログラマブルSOCとマルチメディア向けシステム・ソリューションを含む「Nexperia」製品系列に適用する。

 メモリースティック制御ロジックをNexperiaに組み込むと,デジタル・テレビなどのNexperia対応機器とメモリースティックとのあいだで直接的な接続が可能となり,システムの全体的な性能が改善するという。「メモリースティックに保存したコンテンツの処理速度が向上するほか,リアルタイムの画像回転やズーム,パンといった機能を追加できる」(Philips社)

 Philips社は,メモリースティック技術を組み込んだNexperiaシステム・ソリューションを2004年第2四半期に提供できると見込む。

 メモリースティック対応のメモリー・カードには,標準のメモリースティックのほか,「メモリースティックDuo」「MagicGateメモリースティック」「メモリースティックPRO」がある。MagicGateメモリースティックは機器とメディアのあいだで利用できる認証機能を備え,メモリーに保存するコンテンツを暗号化できる。メモリースティックPROはソニーが米SanDiskと共同開発した新規格で,音楽CDレベルの高音質や高解像度デジタル画像といった大容量を必要とする用途に向けたもの。記憶容量は最大32Gバイトで,現在256Mバイト,512Mバイト,1Gバイトの製品が利用可能である。

 また前日ソニーは,メモリースティックPROを約1/3サイズに小型化した新型メモリー「メモリースティックPRO Duo」と,メモリースティックDuoをパラレル・インタフェースに対応させた製品を発表している。

 なおソニーでは,メモリースティック対応製品の数は2005年までに2億台に達すると予測する。

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