米Intelが米国時間7月22日に,無線通信向けマイクロアーキテクチャ「Intel XScale」技術に対応するC++コンパイラ「Intel C++ Compiler for Microsoft eMbedded Visual C++」と「Intel C++ Compiler for Platform Builder for Microsoft Windows CE .NET」を発表した。同社の無線携帯端末向けアーキテクチャ「Intel Personal Internet Client Architecture(Intel PCA)」ベースのPDA,携帯電話機など用のアプリケーション開発に使用できる。

 同コンパイラには,Intel Pentium 4,Intel Xeon,Intel Itanium 2用のツールも付属しており,同社製プロセサを使うエンタプライズから家庭,モバイル機器向けのアプリケーションを1セットのツールで開発できるという。

 同社では,「Intel XScale対応の同社製C++コンパイラとツールを使うと,アプリケーションの性能改善が可能」とする。同社はその事例として,スウェーデンGlobal IP Sound製品管理担当ディレクタMats Perjons氏の「Intel社製コンパイラに切り替えたところ,当社製ハンドヘルド機器向けVoIPアプリケーションの中核モジュールの性能が45%向上した」というコメントを引用している。

 同コンパイラは,「Intel C++ Compilers for Microsoft Windows」バージョン7.1にある機能を多く備えるほか,「Intel PXA25x」「Intel PXA26x」などIntel XScale技術ベースのプロセサに完全対応するという。そのほかの主な特徴は以下の通り。

Intel Wireless MMX技術対応

・Microsoft Windows CE .NET Platform BuilderおよびMicrosoft Embedded Visual C++との互換性

・プロシジャ間最適化

・浮動小数点エミュレーション・ライブラリ

・Microsoft固有機能対応

・システム開発作業を簡素化するデバッギング拡張機能

 同コンパイラのメーカー希望価格は,アプリケーション開発用のIntel C++ Compiler for Microsoft eMbedded Visual C++が399ドル。OEMやシステム・インテグレータ向けのIntel C++ Compiler for Platform Builder for Microsoft Windows CE .NETが1499ドル。いずれも同日より購入可能とする。

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