米Intelは,PDA用の新しいプロセサ「PXA263」「PXA260」「PXA255」を米国時間3月24日発表した。最新のパッケージング技術と集積技術を用い,「従来より小さいサイズで高いパフォーマンスと長時間のバッテリ駆動を可能にする」(Intel社)としている。

 PXA263とPXA260は,動作周波数200MHz,300MHz,400MHzを用意する。PXA260は,プロセサ単体の外寸が13×13×1.4mmで,従来(17×17×1.75mm)と比べて約53%小型化した。PXA26xプロセサ・ファミリとピン互換を有するので,設計を変更することなく,フラッシュ・メモリーと演算部品を一つのボードに搭載することが可能。

 PXA263は,32MバイトのIntel社製32ビット「StrataFlash」メモリーと,「XScale」技術ベースのプロセサを集積する。「単体製品と比べて最大72%の省スペースを実現する。SIP(system-in-a-package)設計に高度演算機能とメモリー機能を搭載することで,PDAの部品数を減らし,MPEG4ビデオ・デコード,音声や手書き認識,ゲームなどの機能を新たに加えることができる」(Intel社)

 PXA255は「PXA250」の後継で,システム・バスの速度を2倍に高めた。動作周波数400MHz時の電源電圧は1.3ボルト。「従来と比べ,電力消費を動作モードで30%以上,待機モードで60%以上節約する」(Intel社)

 PXA263とPXA260は,すでにサンプル出荷を開始しており,2003年第2四半期に量産体制に入る。両プロセサを利用したPDAは今年後半にリリースされる見込みである。1万個ロット時の価格は,200MHz版PXA263が42ドル35セント,200MHz版PXA260が22ドル85セント。

 PXA255を搭載した製品は,台湾のAcer,カシオ計算機,米Dell Computer,米Intermec,米Symbol Technologies,東芝などのメーカーが出荷を開始している。

◎関連記事
米インテルが携帯電話機向けフラッシュ・メモリーとプロセサを発表
米インテルが無線機器向け新技術「Wireless MMX」など発表,「PCの高機能アプリを無線機器に持ち込める」
米インテル,XScaleベースの新製品ファミリを発表,「高性能,低消費電力」が特徴
米Intelと英Symbianが「Symbian OS」を「XScale」向けに最適化,携帯電話の機能拡張を狙う
米TI,802.11b,Bluetooth,GSM/GPRS対応PDAコンセプト・デザイン「WANDA」を発表
「2002~2007年のPDA市場は年平均18.3%で拡大,2003年に最も急速に成長」,米調査会社
2002年のPDA世界市場は前年同期比9.1%減。米パームも出荷を減らすも,東芝は急伸
米ガートナー,2002年Q3の世界PDA市場出荷台数を前年同期比0.9%増から2.4%減に修正

[発表資料へ]