韓国のSamsung Electronicsは,コア・スピードが533MHzのモバイルCPU「S3C2440」を現地時間7月21日,発表した。「この世界最速のモバイルCPUは,ハンドヘルド・デバイスに向けた新しいサービス,機能,マルチメディア・コンテンツの誕生を後押しするだろう」(同社)

 S3C2440は,コア電圧が1.3Vで,小型装置に適した16/32ビットRISCプロセサ・コア「ARM920T」を搭載する。また,AMBA(Advanced Microcontroller Bus Architecture)を採用し,0.13μmルールのCMOS技術とメモリー・コンパイラを用いて製造する。

 S3C2440では,一般的なシステム周辺機器の広範なセットを提供するため,「新たにコンポーネントを構築する必要がない」(Samsung社)。システム全体にかかるコストを抑えながら,カメラ・インタフェース,TFTやSTN LCDディスプレイ対応機能,SD/MMC/SDIOカード・スロット,USBホストおよびデバイス,タッチ・スクリーン・インタフェースといった付加価値を,エンド・ユーザーに提供できるようになる。

 Samsung社研究開発センターMobile Design Project Team担当副社長のYun-tae Lee氏は,「モバイル・アプリケーションの人気の高まりが,高性能で低消費電力のモバイル・プロセサの需要をけん引している。S3C2440では,当社独自の高速処理と低消費電力設計を,電力最適化技術と組み合わせ,必要最小限の電力で最大限の性能を引き出せるようにした」と説明した。

 S3C2440は,Windows CE,Palm OS,Symbian,Linuxなどの主要OSに対応する。

 ちなみに米GartnerのDataquestは,全世界におけるアプリケーション/マルチメディア・プロセサの出荷量が,2003年の2500万個から2007年には1億7000万個へと急増すると予測している。

◎関連記事
米パームソースの「Palm OS」搭載機開発支援プログラムに,韓国サムスンが参加
韓国サムスンが英シンビアンに約2700万ドルを出資,株式の5%を取得
Symbian OS搭載のマルチメディア対応携帯電話用チップでMPEG-4をサポート
米モトローラのARMコア採用「DragonBall MX1」を「Palm OS 5」適合と認定
米Intelが1.70GHz版「Pentium M」などを発表,「Centrino」で無線LANセキュリティのWPA対応も表明
米QUALCOMM,CPUを2つ内蔵する携帯電話機向けLSI製品系列「MSM7xxx」を発表 
米Intel,2.5GHz版「Mobile Intel Pentium 4」,2.2/1.26GHz版「Mobile Intel Celeron」を発表
PalmOS普及に本腰,米パームが英ARM,米インテル,米モトローラなどとスクラム

[発表資料へ]