フランスSchlumberger傘下の米Schlumberger Information Solutions(SIS)と米Intelは,エネルギー企業向けの検証施設を開設すると米国時間7月10日,発表した。施設名は「Intel Energy Competency Center」。ヒューストンにあるSIS社の本社内に設置する。「米国でこの種の施設を開くのは,これが初めて」(両社)という。

 石油やガスを扱うエネルギー企業は,炭化水素埋蔵量の正確な予測,化石燃料の貯留層開発の効率化,埋蔵量から得られる利益の最大化を図るため,貯留層に関するコンピュータ・シミュレーションを非常に重視しているという。

 こうした企業がIntel Energy Competency Centerを利用すると,Schlumberger社の貯留層シミュレーション・ソフトウエア「ECLIPSE Parallel」などを使い,Intelベースのプラットフォーム上で貯留層シミュレーションの複数のシナリオを試験的に実行できる。「システムの購入前に性能評価を実施するので,コスト面でメリットがある」(両社)

 同施設では,Intel XeonプロセサおよびIntel Itanium 2ベースのワークステーションとサーバーを,米Hewlett Packardの技術でクラスタ化したシステムを提供する。同システムの対応OSは,Microsoft WindowsとLinuxの2種類。

 「Intelベースのアーキテクチャに最適化された検証ソリューションを,購入前に試用できる施設で利用することで,ソリューションの試験運用と,目的に最適なシステム設定を確定できる。この施設は,顧客にとって大いに役立つだろう」(SIS社社長のIhab Toma氏)

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