「政府公共機関は住民向けの電子サービス提供を進めているが,公共機関に務める職員は,オンラインでトランザクション処理を行うことに消極的だ」。英LogicaCMGは英国時間6月25日,政府機関の電子サービス利用に関して調査した結果を発表した。それによると,政府公共機関に務める職員の約90%は,連絡先を調べるなどの情報取得にはオンライン・サービスを使っているが,税金の支払いや育児援助金の請求などのオンライン・トランザクションを進んで処理する職員はわずか14%だという。

 政府公共機関のオンライン・サービスは,「問い合わせ先の確認」(67%),「各省庁に関する情報の取得」(51%),「確定申告の記入」(37%)などに多く利用されている。一方,オンライン・サービスを介して苦情の申し立てをする回答者は約10%,クレジット・カード情報を提供したり決済処理を行うという回答者は7%だけだった。

 しかし,政府公共機関に務める職員の97%は,すでにバンキングや商品購入などのトランザクションに民間のオンライン・サービスを使っているという。「民間のオンライン・サービスの方が機密情報の扱いに関して信頼性が高いことを示している」(LogicaCMG社)

 「住民向け電子サービスの利用を促進するには,政府機関が提供するオンライン・サービスの信頼性を高めることが重要だ。住民税支払いのようなトランザクション・ベースでも,確定申告記入のような非トランザクション・ベースの場合でも同じことが言える」(LogicaCMG社Public Sector部門マーケティング・ディレクタのSara Nicholls氏)

 しかし,住民向け電子サービスの利点を認める回答者は多く,約90%が「また政府機関のオンライン・サービスを利用するつもりだ」と述べている。回答者は,従来の手続きと比べて,政府機関のオンライン・サービスが「早くて使いやすい」(36%),「時間が節約できる」(33%),「政府機関にとっても住民にとっても経費の節約になる」(25%),「より便利になる」(10%)と期待している。

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