「政府と民間のITスキルにはギャップが存在したが,いくつかの主要な技術において実力の差が狭まりつつある」などとする調査結果を,米Brainbenchが米国時間10月29日に発表した。

 政府職員4110人と民間企業の従業員7096人を対象に,オンラインでテストを実施,その得点を比較した。テストを行ったITスキルは,「入門レベル技術」「ネットワーキング」「データベース」「インターネット」「UNIX/Linux」「プログラミング言語」「米Microsoftの技術を使った管理業務」「Microsoft社のアプリケーション」の8項目である。

 今回の調査で,政府職員と民間企業の従業員が得意とするスキルが異なることが明らかになった。政府職員の得点が高かったのは,UNIXやMicrosoft社関連の技術である。一方,民間企業の従業員は,その他の5項目のスキルにおいて政府職員より優れていた。

■ 政府職員と民間企業の従業員のITスキルの比較

ITスキル                  政府職員の   民間企業従業員の     格差
                            平均点       平均点
入門レベル技術               2.80          3.35             -17%
ネットワーキング             2.34          2.63             -12%
データベース                 2.39          2.82             -16%
インターネット               2.64          2.91             -10%
UNIX/Linux                  2.60          2.52               3%
プログラミング言語           2.52          3.02             -17%
Microsoft社の
 技術を使った管理業務       2.43          2.30               5%
Microsoft社の
 アプリケーション           2.93          2.71               8%

出典:Brainbench社

 Brainbench社社長兼CEOのMike Russiello氏は,「政府職員は,UNIXやLinuxなどいくつかの重要なスキルにおいて実力を示している。ITスキルの格差を憂慮して,連邦政府の情報技術関連協議会や国家行政学会(NAPA:National Academy of Public Administration)などが取り組みを行ったことが,功を奏したようだ」と説明した。

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