米Siebel Systemsは米国時間8月20日に,中国の香港政府の効率促進室(Efficiency Unit)がコール・センター「1823 Citizens Easy Link」にSiebel社の電子政府アプリケーション「eGovernment Applications」を導入したことを明らかにした。

 効率促進室は,香港特別行政区の政府機関における公共サービスの管理と提供を向上することを目的として1992年に開設された。地域社会に向けた行政サービスの提供を保証し,住民向けサービスの生産性向上に努め,住民のニーズを把握し,質の高い時宜を得た対応を目指す。

 eGovernment Applicationsは,政府機関がさまざまなチャネルにわたる有権者へ一元的に情報を提供し,効率的な認証や対話,サービスを実施できるようにする。

 香港政府の効率促進室は,政府機関内10部門以上の電話やホットラインを管理する。eGovernment Applicationsは1日当たり3000件の問い合わせ,年間で100万件以上の通話に対応する。eGovernment Applicationsにより,効率促進室では100件中93件の問い合わせを初回の通話だけで解決できるようになったという。「当初の目的である100件中90件を上回る効果をあげている」(Siebel社)

 1823 Citizens Easy Linkは効率促進室が開発した住民向けサービスの一つで,行政サービスに関する情報にアクセスするための統合的な手段を提供している。効率促進室はeGovernment Applicationsを用いて,電話,電子メール,ファクス,郵便などで寄せられる問い合わせを一元的に管理する。

 また,eGovernment Applicationsはキャンペーンの際の問い合わせ増加にも対応する。これまで特別なプロジェクトを実施する場合には,通話を処理するために別の窓口を一時的に設けなければならなかった。しかし,eGovernment Applicationsを導入した1823 Citizens Easy Linkでは,そのような特別なプロジェクトにも対応できるという。

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