「6月9日～15日のレンタル・ビデオの本数は，DVDがVHSを初めて上回った」。米国のビデオ・ソフトウエアの業界団体Video Software Dealers Association（VSDA）が米国時間6月19日に調査結果を発表したもの。それによると，同週におけるDVDのレンタル本数は2820万本であったのに対し，VHSは2730万本だった。

　DVDのレンタル収入がVHSのそれを初めて超えたのは，2003年3月10日～16日の週である。それ以来DVDのレンタル収入は毎週増えてVHSよりも高い状態が続き，5月5日～11日の週に，2003年の累積売上高でDVDがVHSを初めて追い越した。

　そしてついに6月9日～15日の週に，DVDが本数ベースでもVHSを上回ったのだ。

　VSDA会長のBo Andersen氏は，「ビデオ・レンタル・ショップは，DVDの画質，扱いやすさ，特有の機能を評価している」と説明する。「25年前にビデオ・レンタル・サービスが登場して以来，ずっとビデオ・カセットが主流だった。DVDは販売市場でカセットを追い越したように，レンタル市場でもわずか6年でVHSと入れ替わった」（同氏）

■ビデオ・ソフト貸し出し本数の推移（単位：億本）
            VHS        DVD         合計
------     ----       ----        ----
2000年     26         1.68        28.0
2001年     25.5       4.45        30.0
2002年     20.2       9.15        29.3

※1999年以前の集計ではVHSとDVDを区別していなかった

出典：VSDA

　VSDA調査担当ディレクタのBrad Hackley氏は，「DVDが家庭用ビデオ形式の主流になったが，まだ相当数のVHSユーザーが残る」とみる。「家電製品の業界団体Consumer Electronics Association（CEA）によると，ビデオ・デッキを所有しているがDVDプレーヤを持たない家庭は，米国に約5000万世帯いる。これは非常に大きな市場であり，家庭用ビデオ業界は今後もこうした消費者向けの事業を押し進めるだろう」（同氏）

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