米Symantecが米国時間6月9日に,「電子メールを利用する子供の80%以上がスパム・メールを受信している。また約半数が,不適切な内容のスパム・メールをみて不愉快に感じている」などとする調査結果を発表した。

 調査は,Symantec社が米Applied Researchに依頼して行ったもの。7~18歳の子供1000人を対象にオンラインでアンケートを実施した。

 送られてくるスパム・メールの内容を尋ねたところ,「抽選でPlaystationを当てよう」といった「抽選応募を呼びかけるメール」(80%),「出会い系サイトのメール」(62%),住宅ローンや売家など「財務関連のメール」(61%)などが上げられた。またその他にも,「たった2日で5キロ痩せる」といった「減量に関するメール」(55%),「ハーブ系のバイアグラをオンラインで購入」などの「薬剤関連のメール」(51%),「成人サイトへのリンクを含むポルノ関連のメール」(47%)などの回答が寄せられた。また,受信したスパムを開封する回答者は21%で,その理由は「件名に関心を持ったから」(16%)である。

 不適切な内容のスパムをみた子供たちは,「不愉快」(51%)に思ったり,「居心地の悪さ」(34%)を感じている。また「腹が立った」(23%),「興味を持った」(13%)という回答者もいた。しかし,いずれの場合も「そのようなスパム・メールを見たことについて,親には話さない」という回答者は38%だった。

 また調査から,子供たちがスパム・メールについて明確に理解していないことが明らかになった。「スパム・メールについて聞いたことがある」という回答者は89%に達したものの,「スパム・メールの善し悪しが分からない」回答者は約3分の1を占めた。また,「両親とスパム・メールについて話したことが一度もない」という回答者は22%だった。

 電子メールを利用する子供たちの半数以上は,親と一緒にメール・チェックを行っていない。「親と一緒にメール・チェックをするのは重要でない」と考える回答者は約3分の1で,「どちらでも構わない」という回答者は21%,「親と一緒にメール・チェックをしたくない」という回答者は16%だった。

 また,「自分の電子メール・アドレスを,友人/知人やWWWサイトに教える場合,両親の許可をもらっているか」と尋ねたところ,「許可をもらっていない」という回答者は46%にのぼった。

 Symantec社Consumer and Client Product Delivery部門担当上級副社長のSteve Cullen氏は,「子供も大人同様,スパム・メールの被害を受けている。大人はスパム・メールの危険性や回避方法について,子供を教育する必要がある」と述べた。

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