米Gartnerが米国時間5月29日に,世界のシリコン・ウエーハ市場に関する調査結果を発表した。それによると,2002年における売上高は57億ドルで,前年の54億ドルに比べ5.2%増加した。出荷面積は47億8100万平方インチ(約308億4500万平方cm)で,前年比19%増となった。
2001年の売上高は前年に比べて31%減少し,出荷面積も大きく落ち込んでいた。「同市場は2002年にプラス成長状態に戻った。出荷面積ベースでは大きく状況が改善したが,ウエーハ価格の下落傾向は続いている」(Gartner社)
市場シェア1位の信越半導体と2位のシリコンユナイテッドマニュファクチュアリング(SUMCO)は300mmウエーハ事業に注力しており,いずれも売上高を増やし,利益を上げている。
■世界シリコン/エピタキシャル・ウエーハの売上高と市場シェア(単位:100万ドル) 企業名 2002年 2001年 成長率 売上高 シェア 売上高 シェア (%) (%) (%) ------------------------------------------------------------------------ 信越半導体 1,635.9 28.9 1,500.5 27.9 9.0 SUMCO 1,319.3 23.3 - - - Wacker Siltronic AG* 874.7 15.4 881.0 16.4 -0.7 MEMC Electronic Materials* 723.9 12.8 655.6 12.2 10.4 コマツ電子金属 485.6 8.6 463.5 8.6 4.8 その他 629.0 11.1 1,886.2 35.0 -66.7 合計 5,668.4 100.0 5,386.8 100.0 5.2 ------------------------------------------------------------------------ 注:Wacker Siltronic AGとMEMCO Electronic Materialsの売上高には ジョイント・ベンチャー企業の売上高を含む 出典:Gartner社Dataquest(2003年5月)
ドイツのWacker Siltronic AGは比較的早い段階で300mmウエーハ事業に参入したが,米大陸の売上高が12%減と振るわなかった。「対ドル為替レートがユーロ高になったことから販売価格競争に影響を及ぼし,シェア増加を阻んだ」(Gartner社)
Gartner社は,業界内で企業合併がさらに進むとみている。2002年には,三菱マテリアルのシリコン・ウエーハ部門と住友金属工業が合併し,信越半導体に続く業界2位の規模のSUMCOを設立した。
「SUMCOの誕生は,この10年のあいだ市場シェアが安定していた平穏な業界にショックを与えたはずだ。今後合併の影響で市場シェアは大きく変わるだろう。3年から5年後には,大規模な業界再編が起る」(Gartner社半導体製造調査グループ主席アナリストのTakashi Ogawa氏)
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