米In-Stat/MDRは米国時間4月7日,「2002年は世界経済と半導体市場の減速にも関わらず,無線LANチップの販売個数が前年と比べ2倍以上の2000万個に達した」などとする調査結果を発表した。

 IEEE802.11bの人気急騰が無線LANチップ市場をけん引した。今後は,802.11g対応チップ,802.11a対応チップ,複数規格に対応したコンボ・チップなども,市場の行方に影響する。

 In-Stat/MDR社主任アナリストのAllen Nogee氏によると,「2002年は,チップ・メーカーと無線LAN標準の両方にとって過渡期となった」と説明する。「無線LAN技術は,ニッチ市場から大衆市場へとその焦点を移し,チップ・メーカーも他社と提携を結ぶなど,長期戦に向けて戦略を練り直した。また,RF CMOS技術を用いたダイレクト・コンバージョン・アーキテクチャが一般に認められるようになったほか,Bi-CMOSやスーパーヘテロダインを利用した設計も徐々に普及し始めた」(同氏)

 その他の主な調査結果は次の通り。

・無線LANチップの低価格化と,さまざまな機器での採用が進んでおり,2003年も同市場は好調に推移する。無線LANチップの販売個数は,2003年に3300万個以上,2007年に9400万個以上に達する見通し

・無線LANチップ市場の成長を促す主要な原動力はノート・パソコンである。In-Stat/MDR社は,2004年末までに販売されるノート・パソコンの70%以上が無線LAN対応になると予測する。また,無線LAN機能を組み込んだVoIP向け携帯電話も市場の成長を後押しする。まだ発展途上だが,新需要をつくり出す起爆剤になる可能性がある

◎関連記事
「2002年の無線LANチップ販売個数は前年比75%増の1400万個」,米In-Stat/MDRの調査
「無線LAN世界市場は年平均30%以上で拡大,2006年には50億ドル規模に」,米企業の調査
802.11b無線LAN装置市場,出荷台数は前期比14%増,売上高はマイナス成長
「無線LAN製品の売れ行きが好調。802.11g対応は2003年後半に」――米Microsoft 
米Intel,MiniPCI対応のノートPC用無線LANアダプタを発表
無線LANでノートPC市場の拡大狙う米Intelの「Centrino」
「Centrino」にこだわるな
KDDI,802.11g対応の無線LAN機器をレンタル。メルコ製品を月680円~890円で

[発表資料へ]