米GartnerのDataquestが米国時間2月24日,2003年の世界半導体市場について調査した結果を発表した。2003年における同市場の売上高は,前年の1534億ドル規模から8.9%成長し,1670億ドル規模に達する見通しだ。

 市場は2002年末から2003年第1四半期にかけて低迷している。しかし,企業のIT支出が2003年後半より回復することで,半導体の需要も拡大する見通しだ。また今後も,市場をけん引するのは携帯電話機向け分野となるが,「市場の確実な回復のためには,パソコン分野での安定した需要が必要」(同社)という。

 「企業がパソコンを買い替える時期にきている兆しもみられるが,『パソコンのアップグレードが必ず生産性を向上できるのか』という声もあがっている。このため半導体市場が,買い替え需要の恩恵を受ることができるかを判断するのは時期尚早だ。2003年第3四半期まで,企業によるIT支出の行方を見守る必要がある」(Dataquest社世界半導体グループ主席アナリストのRichard Gordon氏)

 長期的にみた場合,これまで抑制されていた需要と生産能力が活性化し,2004年~2005年にかけて市場は強い伸びをみせる。また,半導体の出荷量の増加とともに,デバイスの価格も安定する見込みである。

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