米National Semiconductorが米国時間2月20日に,二つの事業部門の売却計画と500人の従業員を削減するリストラ策を明らかにした。「ROI(投資効果)とコスト構造を改善することで,利益率の向上を目指す」(National Semiconductor社)としている。

 売却を検討しているのは,「Geode」プロセサを取り扱うInformation Appliance部門と,携帯電話向けベースバンド事業部門。National Semiconductor社は売却先が決定するまで,両部門の運営と顧客サポートを継続する。

 National Semiconductor社会長兼社長兼CEOのBrian L. Halla氏は,売却検討の理由を次のように説明する。「これら事業の将来性は明るいが,その実現には当社が投資できる以上の資本が必要だ。厳しい経済状況が続いているため,短期間で収益をあげることができる分野の研究開発に注力することにした」(同氏)

 またリストラ策の一環として,製造,製品開発,サポート部門の人員整理を行い,直ちに全従業員の5%に相当する約500人を解雇する。

 これらの取り組みにより,2003会計年度第4四半期(2003年3月~5月期)から,毎四半期に約1500万ドルの経費節約を達成する見込みだという。同社は2003会計年度第3四半期(2002年12月~2003年2月期)に,人員削減と資産減損の経費として約3500万~4500万ドルを計上する。

 またNational Semiconductor社は同日,台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)と,技術および製造に関して長期的な提携関係を結んだことを発表した。TSMCは今後,National Semiconductor社の0.15ミクロン以下の半導体技術を用いたプロセサ用にウエーハを供給する。

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