米IBMが米国時間5月28日に,動作周波数1.2GHzの64ビット・プロセサ「POWER4+」を2個搭載可能な中小企業向けローエンド・サーバー「IBM eServer pSeries 615(p615)」を発表した。IBM社では,「従来製品に比べ,3分の1の価格で性能を110%向上させた」としている。

 p615の対応OSは,同社製UNIXの「AIX 5L」とLinux。きょう体は,ラックマウント型とデスクサイド型の2種類用意する。

 同サーバーの主な特徴は以下の通り。

・搭載するPOWER4+プロセサは“サーバー・オン・チップ”であり,動作周波数1GHz超のプロセサ2個,広帯域システム・スイッチ,大容量メモリー・キャッシュ,I/Oを内蔵する

・記憶容量1.17Tバイトのハード・ディスク装置を内蔵可能。これは,Sun V240(144Gバイト)の8倍,HP rx2600(438Gバイト)の2.6倍に相当する

・PCIスロットを6つ備える

・すべての操作を遠隔地から実行でき,システム管理者は無線PDAなどを使って管理業務を行える

 IBM eServer p615は2003年5月28日に利用可能とする予定。1ウエイ・モデルの価格は5745ドルから。

 ちなみに同社はPOWER4+プロセサ搭載サーバーとしてp615のほか,ハイエンド向けの「IBM eServer pSeries 690(p690)」「同p670」,ミッドレンジ向け「eServer p655」「同p650」,ローエンド向け「同p630」を提供している。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,AIX 5L版の同サーバーの価格は,1ウエイ/1Gバイト・メモリー構成で5745ドル,2ウエイ/4Gバイト・メモリーで1万1695ドルという。Linux版の価格は若干安く,2ウエイ/4Gバイト・メモリー構成で1万695ドルとなる。

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