米IBMが,8ウェイのUNIXサーバー「eServer p650」を米国時間11月11日に発表した。同サーバーは,同社の64ビット・マイクロプロセサ「POWER4+」を初めて搭載している。「米Sun Microsystems製の同等の構成を持つ『Sun 3800』よりも価格が65%安くなっている」(同社)。

 同モデルは,中小規模の企業,大規模企業の事業部,支社,eビジネスなどにおける,企業リソースのプランニング,供給チェーン管理,顧客関係管理,ビジネス・インテリジェンス向けアプリケーションを実装するミッドレンジのシステムに適している。

 同サーバーは,「eServer p690」の高性能と自律コンピューティング機能をミッドレンジにもたらす。すでに同サーバーは,以前の8ウェイWebサービシングとJavaアプリケーション・パフォーマンスの記録を塗り替えており,Enterprise Resource Planning環境においてSAPパフォーマンスでSunの競合製品をおよそ50%上回っている。

 同製品に内蔵した最新のマイクロプロセサ「POWER4+」は,0.13μmの製造プロセスを用いており,1億8000万を越えるトランジスタを搭載している。消費電力は,「Sun UltraSPARC III」の最新版の3分の2に抑えている。p650では,動作周波数1.2 GHzと1.45GHzのチップが用意される。

 パーティションは,最大8個まで作成可能。UNIX OSの新版「AIX 5L Version 5.2」を含む「AIX 5L」を実行するように設計されている。ネイティブでLinuxをサポートしており,別のパーティションで同時にLinuxを実行することもできる。

 Specfp2000ベンチマークで比較すると,OSに「AIX 5L」を搭載した「eServer p650」は,Sun製の「V880」よりも浮動小数点計算の機能が高かった。また主なSAPアプリケーションでは,パフォーマンスがV880よりも50%近く上回っていた。また,WWWサーバーの性能を測定するベンチマーク・テスト「SPECweb99」でも米Hewlett-Packard(HP)製品を打ち負かしている。

 「eServer p650」は,2ウェイ構成で2万9995ドルから。「pSeries 650」のリリースは,同年12月6日を予定している。

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