米AMDは,64ビット・プロセサ「AMD Opteron」を米国時間4月22日,発表した。「業界標準のx86アーキテクチャと互換性のある世界初の64ビット・プロセサで,2ウエイ/4ウエイ・サーバーで最高の性能を出せる」(AMD社)とする。

 ニューヨークで開催した発表イベントには米IBMも参加し,AMD Opteronベースのサーバー製品を販売する計画を明らかにした。米Microsoftも同プロセサ発表の場で,先日発表した同プロセサ用64ビットOSの開発計画に触れ,「2003年なかごろにはベータ版をリリースする」と述べた。

 AMD Opteronはサーバー/ワークステーション向けのプロセサで,x86命令セット・アーキテクチャ(ISA)を64ビットに拡張した「AMD64」と呼ばれるアーキテクチャを採用する。業界標準であるx86 ISAベースのアプリケーションを実行できるので,x86アーキテクチャと互換のある64ビット環境を構築できるという。

 「新しい64ビット・ソフトウエアの導入を決定するまでのあいだ,現在使用中の32ビット・ソフトウエアをすべて使い続けられる。そのためユーザーは,これまで行った投資を無駄にしないで済む。AMD Opteronは,現行世代から次世代以後のソフトウエアへの移行を容易にすることで,64ビット・コンピューティング導入の障壁を取り除くのに役立つ」(同社)

 AMD社によると,IBM社とMicrosoft社のほかに同プロセサをベースとするシステムの開発を表明している企業には,富士通と独Siemens AGの合弁子会社Fujitsu Siemens Computers,米LucasFilm傘下の米JAK Films,米Oracleなどがある。

 AMD Opteronプロセサは複数のモデルを用意する。各モデルの発売時期などは以下の通り。

・Model 240/242/244:2ウエイ・サーバー向け。すでに利用可能となっており,1000個ロット時の単価は283ドルから。

・Model 800系列:最高8ウエイまで対応可能。2003年第2四半期の後半にリリースする予定。価格は明らかにしていない。

・Model 100系列:1ウエイ・サーバー向け。2003年第3四半期リリース予定。価格は明らかにしていない。

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