米Microsoftのインターネット・サービス事業部門MSNは米国時間5月8日,Webベースの電子メール・サービス「MSN Hotmail」のスパム・メール遮断機能について明らかにした。

 同社は,MSN Hotmailのアップグレードに伴い,新たなスパム・フィルタリング・ツールを今週リリースした。電子メール・メッセージの発信者が受信者のアドレス帳に掲載されていない場合,電子メール・メッセージに含まれる画像をオフにする。一部のスパム・メールには「ウエブ・ビーコン」と呼ばれる画像が含まれており,受信者がメッセージを開くと発信者にメッセージを返信する仕組み。これによりスパム発信者は,ランダムに送りつけたアドレスの中から,アクティブなアドレスを判別できてしまう。なお,新機能で画像をオフにした場合でも,電子メール・メッセージの内容を確認したのち,画像を手動で開いて閲覧することが可能。

 なおMSNは,2002年12月にHuman Interactive Proof(HIP)技術をMSN Hotmailに取り入れている。電子メール・アカウントの設定の際に,ユーザー自身が手作業で登録を実行しなければならないようにしており,スパム発信者が多数の電子メール・アカウントを自動作成して悪用することを防止する。「12月以降,新たな電子メール・アカウント登録が20%減少した。つまり,スパム発信者がコンピュータで生成したアカウントを取得できなくなっていることを示している」(MSN)。

 MSNによれば,これらの対策により「毎日24億通のスパム・メールを遮断している。この数字は,MSNユーザーに送られてくる電子メール・メッセージの約80%に相当する」という。

 MSNはまた,消費者の教育にも時間と人材を投入し,スパム・メール撲滅に取り組むとしている。「Consumer Resource Center」サイトを新設し,MSNサービスのスパム・メール防止技術に関する情報や,スパム・メール対策の手順などを提供する。

 「技術と教育を組み合わせることで,ユーザーの受信箱をスパム・メールから保護するだけでなく,スパム発信者が迷惑メールを送るという最初の行為を防止する」(MSN)

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