米Microsoftは米国時間4月14日,メッセージング/PIMサーバー「Exchange Server 2003」向けの新たなスパム防止/ウイルス防止技術について明らかにした。「これまでのExchangeの中で,最も安全性と信頼性に優れた製品をユーザーに提供することが目的」(Microsoft社)としている。Exchange Server 2003は2003年半ばにリリースする予定。

 新たなスパム防止ツールを使って,パートナ企業は自社のスパム防止技術をExchange Server 2003の機能と組み合わせることができる。受信電子メール・メッセージをスキャンし,スパム・メールの疑いのある各メッセージに段階評価「Spam Confidence Level(SCL)」を割り当てることが可能。管理者が設定した基準値をもとに,電子メール・メッセージを受信箱,あるは迷惑メール・フォルダに送る。

 ちなみに米Gartnerが2002年11月に発表した調査によると,スパム・メールは1年間に1000%増加しているという。企業が積極的に対策を講じなければ,2005年には電子メール・メッセージの半数以上をスパム・メールが占めるようになる。

 ウイルス防止APIの新版「Virus Scan API(VSAPI)2.5」では,ネットワークの入り口で電子メール・メッセージを監視するアンチウイルス・ソリューションを開発するための機能を追加した。外部に向かう電子メール・メッセージを監視することで,ウイルスに感染した電子メール・メッセージの発信を防止する機能も備える。

 また同社は,その他のウイルス防止技術についても明らかにした。今年中にリリース予定の「Office Word 2003」では,World Wide Web Consortium(W3C)の標準規格に準拠した「Word XML」形式のファイルを,ウイルス・スキャンニング・ソフトウエアが素速くスキャンするための技術を組み込む計画である。

 アンチウイルス・ソフトウエア開発の簡素化を目的としたアーキテクチャ「Windows File System Filter Manager Architecture」は,Windowsでアンチウイルス・プログラムの基本的な処理を行うためのコード群。アンチウイルス・ベンダーは各種のファイル・システム・フィルタ・ドライバを同アーキテクチャのコア・エンジンに追加できる。これにより,ユーザーは複数のアンチウイルス・プログラムを組み合わせ,「より機敏に攻撃に対処することが可能」(Microsoft社)

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メール・フィルタリングの使い道---社内情報の漏えいをふせぐ(上)
メール・フィルタリングの使い道---社内情報の漏えいをふせぐ(中)
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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]