米AOL Time WarnerのAmerica Online(AOL),米Microsoft,米Yahoo!は,スパム対策で協力することを米国時間4月28日に発表した。同グループは同業界の他のグループと協力して,プラットフォームに関わらず採用できる技術標準と業界ガイドラインを促進するために情報を公開する。

 3社は,スパム対策には技術,顧客とのコミュニケーション,適切な法的規制,法の施行,消費者の啓蒙を含めた包括的なアプローチが必要だと考えている。同グループは,まず次の4つの分野でスパム対策を講じる

・ユーザーのスパム受信を遮断
- DNSなど既存のインターネット・アドレスを使ってメールがどこから送信されるかを絞ることにより,スパマーが電子メール・ヘッダーで送信者を偽る技術を利用できなくする。

- オープン・リレー,オープン・ルーター,オープン・プロキシなど許可されていないと判断されるシステムからの電子メールを禁じる。

- 送信者や送信元を隠蔽したり変更している電子メールを制約する。

・電子メール・サービスを利用したスパム送信を禁じる
3社は,スパマーがAOL,Microsoft,Yahoo!の電子メール・サービスを利用してスパムの送信ができなくなるようなソリューションの開発で協力する。
- 不正な電子メール・アカウントを大量に作成できなくする。

- 電子メール・プロバイダ間でユーザーの苦情とフィードバックを交換するメカニズムの定義で協調する。

・商用電子メールの標準
3社は,消費者と電子メールで通信を行なう企業と協力して,スパムを区別する技術アプローチ,ポリシー,最良事例を推奨する。

・規制の強化
スパマーに対する法的規制を強化するために協力する。
- スパマーの活動に関する電子的な証拠を保存するためのメカニズムを開発する。

- もっとも効率良くスパム対策を実施するためにISPと業界におけるそれぞれの対スパム努力を組み合わせる。

- 特定のスパム詐欺などに関わる執行機関,刑事執行機関を含め,政府機関がスパマーの参照情報を共有する。

 3社は,米連邦取引委員会(FTC:Federal Trade Commission)が今週実施する「Spam Forum」に参加する。同フォーラムでは,業界,政府,技術団体が集まってスパム対策が論じられる。

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