米IDCは米国時間4月17日に,2003年第1四半期の世界パソコン市場に関する調査結果の速報を発表した。それによると,米Dell Computerが米Hewlett-Packard(HP)から首位の座を奪還した。世界のパソコン出荷台数は合計3460万台で,前年同期と比べて2.1%増加し,予測である2.0%増とほぼ一致した。前期と比べると9.8%減となる。

 米国は,価格競争とノート・パソコンの人気が市場を後押しし,出荷台数は前年同期比1.5%増の1170万台にのぼった。しかし,前期と比べると7.0%の減少である。

 「2003年第1四半期の世界パソコン出荷台数は予測通りの結果となったが,消費者分野は比較的弱く,企業分野もまだ目立った回復をみせていない。景気の停滞に加え,戦争の影響により,第1四半期の需要が低下した」(IDCのディレクタ,Loren Loverde氏)

 またLoverde氏は,「多くの人々が戦争の早期解決とビジネスの復帰を期待していた。しかし,イラク戦争に勝利しても,世界の安全と経済復興には問題が残っている。市場の回復にはまだ時間がかかりそうだ」と,付け加えた。

■2003年第1四半期における米国パソコン市場のメーカー別出荷台数速報(単位:1000台)
                  2003年Q1      市場    2002年Q1      市場    伸び率
    メーカー     出荷台数     シェア   出荷台数     シェア
1      Dell        3,726       31.8%     3,012       26.0%     23.7%
2       HP         2,283       19.5%     1,086        9.4%    110.2%
3      IBM           568        4.8%       574        5.0%     -1.0%
4    Gateway         506        4.3%       645        5.6%    -21.6%
5    Toshiba         380        3.2%       307        2.7%     23.9%
      その他       4,271       36.4%     5,940       51.4%    -28.1%
       合計       11,734      100.0%    11,563      100.0%      1.5%

      HP(合計)   2,283       19.5%     2,345       20.3%     -2.6%

注:・出荷台数は,流通チャネルへの出荷とメーカーによる直販の両方を含む。OEMによる売り上げは,メーカー/ブランドごとに集計。
・HP社の出荷台数は,HP社とCompaq社の出荷台数の合計。
・出荷台数は,デスクトップ・パソコン,ノート・パソコン,小型ノート・パソコン,2万5000ドル未満のIntelサーバーを含む。ハンドヘルド機は含まない。
・数値は,各ベンダーの会計年度ではなく2002年のデータに基づく。
・HP社の数値は,合併前の米Compaq Computerのデータを含まない。合併前のCompaq社のデータを含む数字は,「HP(合計)」の列に記載。

出典:IDC

■2003年第1四半期における世界パソコン市場のメーカー別出荷台数速報(単位:1000台)
                  2003年Q1      市場    2002年Q1      市場    伸び率
    メーカー     出荷台数     シェア   出荷台数     シェア
1       Dell        5,989      17.3%      4,804      14.2%     24.7%
2        HP         5,455      15.8%      2,412       7.1%    126.1%
3       IBM         1,870       5.4%      1,837       5.4%      1.8%
4  Fujitsu Siemens  1,658       4.8%      1,629       4.8%      1.8%
5       東芝        1,270       3.7%      1,098       3.2%     15.6%
       その他       8,375      53.1%     22,114      65.2%    -16.9%
        合計       34,617     100.0%     33,895     100.0%      2.1%

      HP(合計)    5,455      15.8%      5,783      17.1%     -5.7%

注:・出荷台数は,流通チャネルへの出荷とメーカーによる直販の両方を含む。OEMによる売り上げは,メーカー/ブランドごとに集計。
・HP社の出荷台数は,HP社とCompaq社の出荷台数の合計。
・出荷台数は,デスクトップ・パソコン,ノート・パソコン,小型ノート・パソコン,2万5000ドル未満のIntelサーバーを含む。ハンドヘルド機は含まない。
・数値は,各ベンダーの会計年度ではなく2002年のデータに基づく。
・HP社の数値は,合併前の米Compaq Computerのデータを含まない。合併前のCompaq社のデータを含む数値は,「HP(合計)」の列に記載。
・Fujitsu Siemens社の数値は,富士通とドイツSiemensの出荷台数を含む。

出典:IDC

 「東芝が5位につけたことは,ノート・パソコンの人気上昇を示している。他のメーカーもデスクトップ・パソコンからノート・パソコンに焦点を移す傾向にある」(Loverde氏)

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