米GartnerのDataquestが米国時間10月17日,2002年第3四半期の世界パソコン市場に関して調査した結果(速報値)を発表した。それによると,2002年第3四半期における世界のパソコン出荷台数は3217万6500台で,前年同期と比べて5.8%増加した。ただし前年同期は9月11日に対米同時多発テロが発生し,パソコン業界が大きな打撃を受けた。
「2001年第3四半期の世界パソコン出荷台数は,2000年第3四半期と比べて12.4%減少した。対米同時多発テロ後,パソコン出荷が停止状態に陥ったためである。つまり,実際の2002年第3四半期の市場は,前年同期比5.8%増という数字が示すほど伸びていない」(Dataquest社Computing Platforms Worldwideグループ部門バイス・プレジデントのCharles Smulders氏)
厳しい市場状況でありながら,米Dell Computerの世界出荷台数は前年同期と比べて20.7%も増加した。また,米国市場におけるシェアは28.9%に達した。「Dell社は世界のほとんどの地域で出荷台数が増加したが,特に米国市場で強さをみせた。米国での消費者を対象にした販売プロモーションが奏功し,家庭向け分野で大幅に伸びた」(Dataquest社Computing Platforms Worldwideグループ部門主席アナリストのTodd Kort氏)
またKort氏は米Hewlett-Packard(HP)に関して,「まだ統合の最中にあり,例えばドイツで法的に米Compaq Computerとの合併が完了するのは2002年11月以降だが,そうした状況の中で2002年第3四半期は好ましい結果を出したといえる」と述べた。
■2002年第3四半期のメーカー別世界パソコン出荷台数(速報値) (単位:1000台) 20023Q 20023Q 20013Q 20013Q メーカー 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア 伸び率 (%) (%) (%) ------- --------- ----------- --------- ----------- ------ Dell 5,072.7 15.8 4,201.1 13.8 20.7 HP 5,044.5 15.7 5,205.5 17.1 -3.1 IBM 1,965.6 6.1 1,985.1 6.5 -1.0 東芝 1042.8 3.2 866.2 2.8 20.4 NEC 1040.7 3.2 968.5 3.2 7.5 その他 18,010.3 56.0 17,194.2 56.5 4.7 合計 32,176.5 100.0 30,420.6 100.0 5.8 -------- ----- -------- ----- ---- 注:デスクトップ・パソコン,ノート・パソコン,IA32サーバーを含む。 HP社の数字にはCompaq社のデータが含まれる。 富士通とFujitsu Siemensの数字を合わせると,世界パソコン市場で4位となる。 出典:Dataquest社
■2002年第3四半期の米国メーカー別パソコン出荷台数(速報値) (単位:1000台) 20023Q 20023Q 20013Q 20013Q メーカー 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア 伸び率 (%) (%) (%) ------- --------- ----------- --------- ----------- ------ Dell 3,432.9 28.9 2,731.3 25.0 25.7 HP 2,279.3 19.2 2,316.3 21.2 -1.6 Gateway 729.0 6.1 818.1 7.5 -10.9 IBM 651.8 5.5 688.3 6.3 -5.3 Apple 465.6 3.9 488.0 4.5 -4.6 その他 4,329.9 36.4 3,901.5 35.7 11.0 合計 11,888.5 100.0 10,943.5 100.0 8.6 -------- ----- -------- ----- ----- 注:デスクトップ・パソコン,ノート・パソコン,IA32サーバーを含む。 HP社の数字にはCompaq社のデータが含まれる。 出典:Dataquest社
「景気が良ければ当期にパソコンの買い換えが始まっているところだ。しかし経済が回復するのは,どんなに早くても2003年第1四半期以降になる見込みだ。2003年半ばを過ぎないと,パソコンの買い換えは始まらないだろう」(Smulders氏)
地域別では,米国と欧州/中東/アフリカ(EMEA),アジア太平洋(日本を除く)が当期に1けたの伸び率を示した。一方,中南米と日本の出荷台数は減少した。
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