米GartnerのDataquestが米国時間7月18日に,2002年第2四半期の世界パソコン市場について調査した結果を発表した。それによると,パソコン出荷台数は2990万台で前年同期と比べて0.6%減少した。第1四半期に市場回復の期待が高まったものの,第2四半期はわずかに後退を味わった。
米国における出荷台数は前年同期比0.8%減の1060万台にとどまった。
「明らかに,第1四半期より過剰在庫の影響を引きずっている。企業の大幅な購入回復は見受けられず,同じ地域で消費者市場も後退している」(Dataquest社Computing Platforms Worldwide部門バイス・プレジデントのCharles Smulders氏)
また同氏は,「経済の先行き不透明感により,企業は依然として自信を取り戻せずにいる。米国では,米Enronや米WorldComの粉飾決算問題がそれに追い打ちをかけている」と説明した。
世界市場の首位メーカーは米Compaq Computerとの合併を果たした米Hewlett-Packard(HP社)。しかし,米Dell Computerが0.6ポイント差の市場シェアで背後に迫っている。しかも,HP社は前年同期と比べて出荷台数が16.1%減少した。
Dell社はトップ5メーカーのうち,世界市場と米国市場の両方で2桁の伸びをみせた唯一のメーカーである。
■2002年第2四半期の世界市場におけるメーカー別出荷台数速報(単位:1000第) 2002年Q2 2002年Q2 2001年Q2 2001年Q2 伸び率 メーカー 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア (%) (%) (%) --------------- --------- ----------- --------- ----------- ------ Hewlett-Packard 4,627 15.5 5,517 18.3 -16.1 Dell 4,459 14.9 3,944 13.1 13.1 IBM 1,960 6.6 2,145 7.1 -8.6 NEC 1,045 3.5 1,147 3.8 -9.0 東芝 896 3.0 849 2.8 5.5 ソニー 830 2.8 672 2.2 23.7 その他 16,079 53.8 15,807 52.5 1.7 合計 29,895 100.0 30,081 100.0 -0.6 ------ ----- ------ ----- ----- 注:数値にはデスクトップ・パソコン,ノート・パソコン, IA32サーバーが含まれる。HP社とCompaq社の数値は1社として報告。 出典:Dataquest社
■2002年第2四半期の米国市場におけるメーカー別出荷台数速報(単位:1000第) 2002年Q2 2002年Q2 2001年Q2 2001年Q2 伸び率 メーカー 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア (%) (%) (%) --------------- --------- ----------- --------- ----------- ------ Dell 2,925 27.7 2,526 23.7 15.8 Hewlett-Packard 1,949 18.4 2,282 21.4 -14.6 IBM 663 6.3 646 6.1 2.6 Gateway 651 6.1 798 7.5 -18.4 Apple 456 4.3 461 4.3 -1.2 その他 3,933 37.1 3,948 37.0 0.3 合計 10,576 100.0 10,660 100.0 -0.8 注:数値にはデスクトップ・パソコン,ノート・パソコン, IA32サーバーが含まれる。HP社とCompaq社の数値は1社として報告。 出典:Dataquest社
地域別でみると,EMEA(欧州,中東,アフリカ)の出荷台数は0.3%減少。日本は12%も落ち込んだ。アジア太平洋地域と中南米は,それぞれ5%減,4.3%減だった。Dataquest社は,FIFAワールドカップがアジア太平洋地域,日本,中南米の市場に影響を与えたと分析する。一部の消費者はパソコン購入ではなく,ワールドカップの試合に大きな関心を寄せていた。
「メーカーは2002年の伸び率を約2~4%増と考えているようだ。それでも我が社の予測である5%増を下回る。メーカーはDVDドライブやグラフィックスLSI技術に注力することで,第4四半期に消費者の心をつかめるようにするべきだ」(Smulders氏)
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