米IDCが米国時間4月18日に,2002年第1四半期の世界パソコン市場に関して調査した結果を発表した。それによると,世界市場におけるパソコン出荷台数は3140万台で,前年同期と比べて2.7%減,前期比では8.9%減少したという。

 「急速な落ち込みは脱したが,まだ主要分野での顕著な復調はみうけられない。企業は依然として投資に慎重だ。また消費者が積極的に市場に戻るのは今年後半になるだろう」(IDC,Worldwide Quarterly PC Tracker部門ディレクタのLoren Loverde氏)

 米国における2002年第1四半期のパソコン出荷台数は,前年同期比0.4%減少。前期比では6.1%減少したが,従来第1四半期の前期比減少率は平均10.4%なので,小規模の低下にとどまったといえる。IDC,Client Computing部門ディレクタのRoger Kay氏は,「米国市場の景気が底を打ち,ゆっくりではあるが回復に向かっているのは明らかだ」と述べた。また,ノート・パソコンの伸び率がデスクトップ・パソコンのそれを上まわっており,「消費者向け分野は例年の販売傾向よりわずかながら好調だ。一方,企業向け分野はまだ動きが鈍い」(IDC)。

 地域別でみた主な調査結果は以下の通り。

・米国:前期と比べて減少したものの,市場は回復傾向にある。第1四半期における消費者の支出は増加しており,米国がパソコン市場の復調を牽引するとみる。

・欧州:前期比の減少率は例年通り。米国と同様の回復傾向をたどるが,伸び率は米国ほど高くない。

・日本:事前の予測通り,引き続き落ち込んだ。経済の低迷が,特に企業向け分野に影響を与えている。

・アジア:増加を維持しているが,伸び率は1桁台前半にとどまっている。中国は好調だった。同地域2位の韓国と3位のオーストラリアは伸び率がプラスに転じた。


■2002年第1四半期における米国市場のトップ5メーカー別出荷台数(速報値)
(単位:1000台)

2002年Q1 市場 2001年Q1 市場 伸び率
順位 メーカー 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア

1 Dell 3,013 28.4 % 2,524 23.7 % 19.4 %
2 Compaq 1,280 12.1 % 1,473 13.8 % -13.1 %
3 Hewlett- 1,086 10.2 % 1,084 10.2 % 0.2 %
Packard
4 Gateway 650 6.1 % 923 8.7 % -29.6 %
5 IBM 577 5.4 % 565 5.3 % 2.0 %

その他 3,994 37.7 % 4,068 38.2 % -1.8 %

合計 10,600 100.0 % 10,638 100.0 % -0.4 %

*数値にはOEM販売を含まない。販売チャネルおよび直販を通じたの出荷台数が含まれる。

出典:IDC


■2002年第1四半期における世界市場のトップ5メーカー別出荷台数(速報値)
(単位:1000台)

2002年Q1 市場 2001年Q1 市場 伸び率
順位 メーカー 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア

1 Dell 4,824 15.4 % 4,151 12.9 % 16.2 %
2 Compaq 3,367 10.7 % 3,815 11.8 % -11.8 %
3 Hewlett- 2,340 7.5 % 2,433 7.5 % -3.8 %
Packard
4 IBM 1,832 5.8 % 2,025 6.3 % -9.5 %
5 Fujitsu 1,606 5.1 % 1,819 5.6 % -11.7 %
Siemens

その他 17,390 55.5 % 17,993 55.8 % -3.4 %

合計 31,359 100.0 % 32,236 100.0 % -2.7 %

*数値にはOEM販売を含まない。販売チャネルおよび直販を通じたの出荷台数が含まれる。
*Fujitsu Siemens社の数値には富士通とドイツSiemensの出荷台数が含まれる。

出典:IDC

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