「パソコン業界は過去25年にわたって安定した成長をみせてきた。しかし市場の成熟が進んでしまったため,今後の伸びは経済状況に大きく左右されるだろう」。調査会社の米eTForecastsが米国時間5月7日に,パソコン市場の今後の展望について調査した結果を発表した。

 eTForecasts社によると,今後パソコンの販売台数の伸びは10%を下回り,景気後退時には販売台数が一時的に減少する。しかし長期的には成長する見込みだ。

 全世界におけるパソコンの使用台数は着実に増え,2010年には多くの地域においてその数が倍増する。米国におけるパソコンの使用台数は,2001年の1億7500万台から,2010年には3億台以上に達する。全世界におけるパソコンの使用台数は,2001年の5億2500万台から2007年には11億台以上に増加する。

■ パソコンの地域別販売台数(単位:1000台)

                    1990年  1995年   2000年   2002年   2004年   2007年

全世界              24,175  57,985  129,670  133,920  158,790  206,690
北米                10,290  23,030   49,450   46,990   52,570   60,900
米国                 9,540  21,370   46,005   43,450   48,980   56,830
西欧                 8,050  15,870   32,280   32,490   36,890   46,230
東欧                   555   2,180    5,070    6,320    8,050   11,850
アジア太平洋地域     3,825  12,635   31,190   35,590   44,620   61,960
中南米                 765   2,570    6,840    7,360    9,330   14,060
中東/アフリカ         690   1,700    4,850    5,470    7,330   11,690

出典:eTForecasts社

 「パソコンの年間販売台数は,新規購入する顧客よりも既存ユーザーの買い替え需要に依存するようになった。このため平均的なパソコンの経済的寿命が,年間の販売台数を決定する大きな要因となる」(eTForecasts社のEgil Juliussen氏)

 全世界におけるパソコンの販売台数が2億台を越えるのは,2000年初め時点の予測より2年遅い2007年になる見通し。伸び率が最も低いのは,パソコンの普及率が最も高い西欧と北米になる。これらの地域は,景気の落ち込みとともにパソコンの販売台数が減少するリスクが高い。

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