米IBMが米国時間4月9日に,自律動作可能なシステム管理ソフトウエア「Tivoli Autonomic Monitoring Engine」を発表した。自己管理/自律動作機能を備え,サードパーティ製品との統合に対応する。IBM社では,「統合された多様な環境の複雑さを低減し,エンド・ユーザーの使い勝手を向上させる」としている。

 Tivoli Autonomic Monitoring Engineは,同社が先ごろ発表した自律コンピューティング・システム構築用アーキテクチャ,「Autonomic Computing Blueprint」の1製品に当たる管理ソフトウエア。同アーキテクチャについて,同社は「さまざまなベンダーの提供する技術を組み合わせる手法の提供と,複雑な情報システム管理を自動化する作業の省力化が目的」と説明する。

 同管理ソフトウエアは自己修復技術を持つので,致命的な状況になってもシステムは自動的に復旧するという。「システムのパフォーマンスやエンド・ユーザーの作業に支障を及ぼす前に,リソースの不足や問題発生の兆候を検出できるようになっている」(同社)

 同社では,「同管理ソフトウエアを使用すると,開発者や独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)は,自律機能を自社製アプリケーションに組み込むこめるようになり,開発期間短縮とコスト削減が実現できる」とする。

 また同社は,ISVの同管理ソフトウエア使用を支援するソフトウエア開発キット(SDK)の提供も行う。同SDKによりISVは,「IBM Tivoli Monitoring」など自律機能を備えるIBM社製品と自社製品とを接続できるようになる。

 なおIBM社によると,複数のISVが自社製アプリケーションへのTivoli Autonomic Monitoring Engine組み込み作業をすでに進めているという。

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