米Infonetics Research社は,企業ネットワークのダウンタイムに関する調査結果を,米国時間3月6日に発表した。それによると,調査対象となった企業は,ネットワークのダウンタイムの1時間につき最高9万6632ドルの損失を被っていることが明らかになった。ネットワークの停止や機能低下は,生産性と売り上げに大きな損害を与え,その割合は,年間総売上高の0.1%以下からおよそ1%(最高74600万ドル)に及ぶ。

 「ほとんどの企業は,問題を発見したときにどこから着手したら良いのか,どうやって解消すれば良いのか分かっていない。まず,ダウンタイムのトラッキングが第1のステップである。トラッキングならば,ネットワーキング製品,管理ベンダ,サービス・プロバイダの支援で容易にできる」(同社のエグゼクティブ・ディレクタのJeff Wilson氏)

 その他の主な調査結果は次の通り。

・ダウンタイムの一番の原因はサーバーだった。僅差でアプリケーションとネットワーク製品が続いた

・ネットワーク製品は,ネットワーク・ダウンタイムのもうひとつの大きな原因となっているが,ルーター,スイッチ,NICの故障やパフォーマンス問題が損失全体の4分の1を占めている

・例外なく生産性の損失よりも売上高の損失の方が被害が大きい。しかし,生産性の損失には経費がかかるとともに,原因の究明と修正が困難である

・サービス品質の低下は探求と修正が困難であり,パフォーマンスを最適化るための技術投資を必要とする。しかし,一般的に経済的な利点が明確ではないため,この技術投資に企業は積極的ではない

 同調査は,各種業界の大規模な6企業に実施したインタビュー結果をまとめたもの。ネットワーク製品,セキュリティ,ケーブル,コネクタ,サーバー,アプリケーション,サービス・プロバイダ,電子商取引など7つのダウンタイムの原因を調査している

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