米IDCはCRMサービスとカスタマ・ケア・サービスの世界市場に関する調査結果を米国時間4月7日,発表した。それによると,景気の低迷により同市場の短期的な見通しは芳しくないものの,2007年まで年平均11.3%で成長し,1010億ドル規模に達するという。

 カスタマ・ケア・サービス分野は,販売サイクルの長期化,し烈な価格競争,BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)への関心の高まりなどが原因で,今後12~18カ月間は波乱含みとなる。「サービス・プロバイダは,顧客のコスト削減を最優先し,成功の測定基準として業績を強調することが重要」(IDC)だという。

 CRMサービス分野では,ビジネス・プロセスの再設計と最適化に向けた一連のサービスを提供できる企業が成功する。また米国では今後5年間に,運用管理とIT関連のアウトソーシング(コール・センターのアウトソーシングは含まない)といったCRMサービスが急成長を遂げるとみる。

 「厳しい経済状況が続いているが,収益機会がないわけではない。プロバイダの生き残りは,コスト削減,ROI(投資効率),ビジネス・プロセスの最適化を実現するソリューションを提供できるか否かにかかっている」(IDC,CRM and Customer Care Services調査プログラム部門マネージャのBrian J. Bingham氏)

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