米IDCが米国時間6月12日に,CRM(customer relationship management)サービス市場に関する調査結果を発表した。市場は年平均25%で成長し,2001年の610億ドルから2005年には1480億ドル規模に拡大する。

 これは,ITサービス市場全体の2000年~2005年における年平均成長率12%を大きく上まわる。

 「経済低迷にもかかわらずCRM市場が大きく成長する要因は,コスト削減などの効果を期待するためである。企業は投資効率(ROI:return on investment)を高める主要手段としてCRMに目を向けるようになる」(IDC,CRM Services調査プログラム部門マネージャのJocelyn Young氏)。

 またIDCは,経済状況の変化によってサービス企業にとって好機が巡ってきたと指摘する。「今後12カ月~18カ月の間に顧客のCRM戦略見直しを支援することが,長期的な成功につながる」(同氏)という。

 CRMサービス市場の最大カテゴリはCRMアウトソーシング/運用管理で,2000年の売上高は320億ドルだった。2005年には820億ドルを超える見込みである。CRMトレーニングは2000年に急成長し,29億ドルを売り上げた。2005年には110億ドルに達するとみる。

 より短期間で顧客のニーズに応えること,すぐに成果を上げること,CRM導入による顧客のビジネス・プロセス検討や事業変革を支援すること,顧客のデータ統合能力と手法を強化すること,顧客のROIを高め引き続きプロセス開発に努めること,などがCRMサービス企業にとって重要だと分析する。

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