米IBMと米NVIDIAは,NVIDIA社の次世代「GeForce」製品系列グラフィックスLSI(GPU:Graphics Processing Unit)の製造をIBM社が請け負う戦略的提携関係に入った。両社が米国時間3月26日に発表したもの。契約期間は複数年。契約金額などそのほかの詳しい条件については明らかにしていない。

 この提携によりIBM社は,ニューヨーク州イースト・フィッシュキルの同社工場で2003年夏より次世代GeForce GPUの製造を開始する。その際同社は,「銅配線,シリコン/絶縁膜構造(SOI)トランジスタ,低誘電率(low-k)絶縁体などの技術を300mmウエーハ上で初めて組み合わせる」としている。数年後には製造プロセスを65nmに微細化する計画という。

 IBM社との戦略的提携について,NVIDIA社社長兼CEOのJen-Hsun Huang氏は「革新的なGPU製品を市場投入するための絶好の機会を得られる」と述べる。

 さらにIBM社は,NVIDIA社に自動生産管理システムも提供する。同システムを使用すると,生産ラインを制御するだけでなく,顧客やベンダーのシステム/業務を結びつけることが可能となり,サプライ・チェーン全体をより密に統合できるという。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,現在NVIDIA社は台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)にGeForce製品系列GPUの製造を委託しており,IBM社との提携にはGPU製造の一極集中を避ける狙いがあるという。また関係者からの情報では,契約金額は数億ドル規模という話だ。

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