米IBMの300mmウエーハ対応工場において銅配線ベース/90nmルール製造プロセスでLSI製品を生産するために,米XilinxはFPGA(Field Programmable Gate Array)の設計データを“テープ・アウト”した。両社が米国時間12月16日に明らかにしたもの。

 テープ・アウトとはLSI製造工程における1つの段階を指し,LSI製造に必要なデータを工場に送ることを意味する。工場ではこのデータをもとにして,ウエーハにLSIパターンを焼き付ける際に使うフォトマスクを作成する。

 IBM社は同FPGAの大量生産を,2003年後半からニューヨーク州イースト・フィッシュキルにある300mmウエーハ製造工場で行う計画である。「同工場で300mmウエーハに銅配線/シリコン絶縁膜(SOI)/低誘電率(low-k)絶縁体などの技術を適用するために,25億ドル投資した」(同社)

 90nmルールでFPGAを製造すると,他社の競合FPGAに比べてLSIの大きさを50%から80%小さくできるという。「Xilinx社の90nm製造技術により,100万ゲートのFPGA(ロジック・セル数は約1万7000個)の価格を25ドル未満(2004年末時点の25万個ロット時の単価)に引き下げることが可能となるだろう。これは,他社製品に比べ35%から70%低価格だ」(IBM社)

◎関連記事
米IBMとチャータード,300mmウエーハ/90nm/65nm LSIの開発/生産で提携。製品の相互提供も
米IBM,フォトマスク修復技術を発表。「100nm以下の製造ルールでもマスクの欠陥をゼロに」
米IBMが64ビット・マイクロプロセサ「PowerPC 970」を発表,2003年に最大1.8GHzでリリース
米Xilinx社,FPGAの新製品「Virtex-II Pro」を発表,IBM社の「PowerPC」を搭載し,マルチギガビットのシリアル・インタフェースを提供
米インテルが20億ドルかけ半導体工場を300mmウエーハ対応に。2003年には90nmルールで製造
米AMDと台湾UMCが300mmウエーハ製造向けAPC技術の共同開発で提携
米AMD,独インフィネオン,台湾UMCが65/45nm製造技術プラットフォーム開発で提携
米モトローラ/蘭フィリップス/伊仏合弁のSTマイクロ/台湾TSMC,300mmウエーハで32nm CMOS技術を共同研究

[発表資料へ]