米Xeroxが米国時間3月20日に,視覚障害者向けのコピー機操作ソフトウエア「Copier Assistant」を発表した。「視覚障害者が他人の手を借りることなく,より簡単にパソコンからコピー機を操作できるようにする」(Xerox社)

 視覚障害者のための団体Association for the Blind and Visually Impaired(ABVI)の議長兼CEOであるA. Gidget Hopf氏は,「コピー機などのデジタル事務機には,通常タッチスクリーンの操作パネルが付いているが,これは視覚障害者にとって非常に扱いにくい」と説明する。「Xerox社はCopier Assistantの開発段階で,ABVIと協力してテストを実施した。最終設計の大部分に我々のフィードバックが反映されている」(Hopf氏)

 Copier Assistantの操作対象となるコピー機はXerox社製の「Document Centre 500 Series」。Copier Assistantは大型のオンスクリーン・ユーザー・インタフェースのほか,タブ,矢印,ファンション・キーなどのキーボード操作ボタンを備える。テキスト読み上げ機能により,視覚障害者は書類のホチキス留めや両面コピーといった高度機能を手順に沿って利用できる。

 Copier Assistantは4月1日より495ドルで販売する。今後同社がリリースするデジタル事務機にも対応させる計画である。なお,Copier Assistantは1998年Rehabilitation Act第508条に準拠している。第508条は,政府機関が開発,調達,管理するすべての電子技術と情報技術が障害者にとって利用可能であることを義務付けている。

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