インターネットの標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)が米国時間6月26日に,XMLベースの音声認識向け文法記述言語「Speech Recognition Grammar Specification」をW3C勧告候補(Candidate Recommendation)として発表した。同言語は,音声インタフェースを持つアプリケーションにおいて,アプリケーションの問い合わせに対するユーザーの応答に関するルールを記述するためのもの。

 音声インタフェースを実現する際の問題について,W3Cは次のように例を挙げて説明する。「音声対応アプリケーションでは,ユーザーは“はい”と答えることもあれば“もちろん”“いいですね”と答えることがある。また日付の場合には,“明日”ということもあれば“7月8日”と応答する可能性もある」(W3C)

 Speech Recognition Grammar Specificationでは,アプリケーション開発者が,応答される可能性のある単語の組み合わせをすべてカバーするルールを定義できる。これにより,「さまざまな応答が想定される場合でも,音声対応アプリケーションの対応が容易になる」(W3C)

 また,Speech Recognition Grammar Specificationはほかのマークアップ言語に依存しないので,VoiceXMLなどの音声マークアップ言語と組み合わせて使用できるという。

 なお,Speech Recognition Grammar Specificationの策定に協力した主な企業は以下の通りである。米BeVocal,米Cisco Systems,米Comverse,米IBM,カナダLocus Dialogue,米Lucent Technologies,米Microsoft,米Nuance Communications,米Openwave Systems,オランダRoyal Philips Electronics,スウェーデンPipeBeach,米Scansoft,米SpeechWorks International,米Tellme Networks,米Unisys。

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