マルチモーダル向け音声処理言語の標準化を進める業界団体SALT Forumが,音声処理向け拡張タグ仕様「Speech Application Language Tags(SALT)」を,WWW関連技術の標準化団体W3C(World Wide Web Consortium)に提出した。SALT Forumが米国時間8月13日に明にしたもの。

 SALT ForumがSALTをW3Cに提出したのは,マルチモーダル/テレフォニ・アプリケーションにおける音声技術の利用を促進するため。SALT Forumではこれまでも,「(SALTを)オープンでロイヤルティ・フリーな標準規格とするため,国際的な標準化組織に提出する」と発表していた。

 SALT Forumは,SALTをW3Cのマルチモーダル対話処理/音声対応Webの標準仕様として検討してもらうようW3Cに依頼している。このためW3CのMultimodal Interaction Working GroupとVoice Browser Working Groupに協力を要請した。

 SALTは,広く使用されているWWWベースのプログラミング言語を拡張したシンプルなタグ・セットを定義している。マルチモーダル・アプリケーションでは,SALTのタグを追加することで,音声入力および出力機能に対応できるようになる。

 なお,音声技術の市場調査/コンサルティング会社TMA Associates社の社長Bill Meisel氏によれば,今回のSALTのW3Cへの提出は,マルチモーダル技術において,一つの標準仕様を求めるという音声技術業界の要望と一致しているのだという。「SALTのW3Cへの提出は(一つの標準仕様のための)強力な出発点となる」(同氏)

 SALT Forumは2001年10月に米Cisco Systems,米Intel,米Microsoft,米Comverse,蘭Philips ElectronicsのPhilips Speech Processing,米SpeechWorks Internationalがなどが集まって発足させた業界団体である。

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