米Trend Microが米国時間3月3日,企業ネットワーク向けスパム・メール対策ソフトウエア「Spam Prevention Service」を発表した。「迷惑なスパム・メールをインターネット・ゲートウエイで遮断する」(同社)としている。

 Spam Prevention Serviceは,スパム・メール対策技術を手がける米Postiniのスパム・フィルタリング技術を採用している。この技術は電子メールの特徴を手がかりに,ヒューリスティクスと呼ばれる科学的な学習機能を用いて,その電子メールがスパム・メールである確率を計算する。多くのスパム対策ベンダーが提供する,署名(送信元)のスキャニングをもとにしたフィルタリング機能と併用できる点が特徴だ。

 ヒューリスティクスを用いた検知では,新たなカテゴリやスパム・メールの特徴に則したスキャニングを即座に適用できる。Postini社がインターネットを往来する電子メールを毎日分析して,最新のヒューリスティクス・エンジン・ファイルを提供する。

 Trend Micro社Global Marketing部門執行副社長David Rowe氏は,スパム対策ソフトの分野に進出することに関して,「スパム・メールの遮断に最も適しているのは,ウイルス対策と同様,インターネット・ゲートウエイであると考えたからだ」と説明した。「スパム・メールの手口は日々悪質になっており,新たな脅威に迅速に対応できる効果的なソリューションが必要だ。『効果的かつ高性能のコンテンツ・セキュリティ・ソリューションをゲートウエイ向けに提供する』,という当社の本領を発揮したい」(同氏)

 ちなみに米Gartnerによると,企業が受信する電子メールのうちスパム・メールが占める割合は,2004年までに50%を超える見通しだ。このため企業は,電子メールの保存容量,ネットワークの帯域幅,スパム・メールの遮断などに,膨大なリソースが必要になる。また米Ferris Groupは,2003年に企業で発生するのスパム・メール関連のコストを100億ドルと見積もっている。

 Spam Prevention Serviceには,Solaris版,Windows版,Linux版の3種類がある。価格はユーザー25人までの場合,1人当たり30ドル。多数ユーザーでの利用に向けた割引プランも用意する。Solaris版は直ちに利用可能。Windows版とLinux版は2003年第2四半期にリリースする。

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