米AOL Time WarnerのAmerica Online(AOL)は,スパムに対するAOLの取り組みを米国時間2月20日に発表した。同社は現在,毎日7億8000万通のスパムを遮断しており,メンバーからはスパム通報を1日に410万件受けているという。

 同社は先ごろ,「Tell Us」キャンペーンを通して米国内のおよそ2万7000万人のメンバーに対してサービスに対するコメントを求めた。その結果,膨大なフィードバックの多くがスパムに関する問題であることが明らかになった。そのため,同社の複数のスパム対策努力のアップデートとともに,スパムとスパマーに対して予定している反撃についてメンバーに発表した。

 同社のプロプライエタリのアンチスパム・フィルタリング技術は,毎日7億8000万通のスパムを遮断している。これは,アカウント1つにつき,1日平均22通のスパムをブロックしていることになる。

 このような膨大な数のスパムの遮断に成功している理由は,メンバーの協力に支援されているという。前年10月に同社がリリースした,「AOL 8.0」は,スパムを報告する「Report Spam」ボタンを提供している。メンバーはこのボタンを利用してAOLにスパムを1日に410万件通報している。この報告により,エンジニアは同社のアンチスパム・フィルタのアップデートと調整ができるため,他のメンバーに送られるスパムの防御に成功している。

 メンバーによるスパム通報は急増しており,「Report Spam」機能を提供する以前には1日に20万通だった。これが,リリースから2カ月後の前年12月には10倍の200万通に達していた。

 同社が明らかにしたスパムに対する戦略の概要は次の通り。

・同社は,「Report Spam」ボタンと「Mail Controls」機能に加え,スパムを撃墜するために,より効果的なオンラインのアンチスパム・ツールを3月に明らかにする

・不正な手段を使ったスパムの送信を犯罪とする法律の制定を含め,連邦,州においてスパムに対するより厳しい法律の制定を提唱する

・裁判所における対スパマー・キャンペーン。より多くの裁判所命令を勝ち取り,スパマーに損害賠償を与え,ポルノ,一攫千金の方法,その他の望まない製品やサービスの広告配信事業を止めさせる

・スパム・フィルターをさらに調整,改良,アップグレードする。AOLメンバーの通報が増加すれば,より多くのスパムを遮断できる

・連邦執行機関,他のISP,他のインターネット企業との協力を通じて,技術と法的な手段により,同社の対スパムの取り組みを拡張する

・AOL内にアンチスパム戦略本部を設立する。AOLサービスにおけるスパムを削減し,メンバーにより多くのアンチスパム機能,ツール,リソースを提供する

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