富士通の米国子会社Fujitsu Microelectronics America(FMA)は,2003年2月25日~27日にサンノゼで開催されるWireless Design Conferenceで,Bluetoothベースの参照設計やDAコンバータ(DAC)などを展示する。FMA社が米国時間2月25日に明らかにしたもの。

 FMA社のBluetooth参照設計は,ハンズフリー用途を想定したプラットフォーム。Bluetooth Version 1.1に対応する。BluetoothベースバンドICには富士通の「BlueA」を採用。同ICは,単一の8mm角176ピンFBGAパッケージに2Mバイトのフラッシュ・メモリーを組み込んでいる。同プラットフォームについて同社は,「経済的な使いやすいソリューションなので,設計者は複雑なBluetoothの仕様を把握するのにかかる時間/手間/リソースを省くことができる」と説明する。

 同社が展示するDAC「MB86064」は,14ビット2系統でサンプリング・レートは800Msa/s。同社によると,業界で最も高速なCMOS DACという。「業界トップの性能を極めて安価に提供するので,GSM/W-CDMA/UMTS用のDIFマルチキャリア・システムを経済的に設計できるようになる」(同社)

 さらに同社は,IEEE 802.11aおよび同802.11bといった無線LAN標準に対応する新型PLL発振機「MB15F76UL」「MB15F74UL」の展示も行う。いずれの製品も,低ノイズ位相コンパレータ,平衡型のチャージ・ポンプ,デュアル・モジュラス・プリスケーラ,プログラマブル・リファレンス,メイン/スワロー・カウンタを内蔵する。無線送信機や受信機のアップ/ダウン・コンバージョン処理部向けの発振機として使用できる。

 同社のそのほかの主な展示内容は以下の通り。

・富士通製の低消費電力CMOSセンサー:センサーとカラー処理モジュールを8μm×10.7μm×5.54μmの単一LSIに統合。毎秒15フレーム処理時で消費電力は30mW。

・富士通の開発した無線SoC技術:MPU,DSP,I/Oやネットワーク処理,メモリーなどの中核モジュールを,用途に応じてシステムLSIに統合する。

・米Global Locateの屋内用GPS:富士通はGlobal Locate社の位置情報システム向けASIC技術の開発に協力した。

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