米司法省(DOJ:Department of Justice)は米国時間2月25日に,米Qwest Communications Internationalの売上高水増し報告を画策した容疑で元幹部4人を起訴したことを明らかにした。

 起訴されたのは,元Qwest社Global Business部門CFOのGrant Graham氏,元同社同部門Government and Educational Solutions Group上級バイス・プレジデントのThomas Hall氏,元同社同部門同グループのバイス・プレジデントのJohn Walker氏,元同社管理補佐のBryan Treadway氏。起訴理由は12項目に及ぶ。

 起訴状では,4人がQwest社の2001年第2四半期の売上高を3300万ドル以上水増しして不正報告することを計画したと主張。4人は同社Global Business部門がArizona School Facilities Boardから受けた数百万ドル相当の注文を,米証券取引委員会(SEC)の規則に反して即時報告することで,減収の穴埋めを行おうとしたという。さらに,4人がこうした行為を隠ぺいするために,書類を偽造したことについても追求している。

 また米証券取引委員会(SEC:Securities and Exchange Commission)は,2000年と2001年における決算で約1億4400万ドルの水増し報告を行ったとして,元幹部と現幹部の合計8人を提訴している。

 Qwest社は今回の元幹部の起訴を受けて,「当社は引き続き,政府と協力して調査を進める。われわれは企業として,また社員として高い倫理基準を維持し,事業を行う」(Qwest社)とのコメントを発表した。

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[米司法省の発表資料]
[Qwest社の発表資料]