米Qwest Communicationsは過去に不正確な会計処理を行っていたことを認め,現在,光通信回線容量取り引き(IRU)の売上高を含む同社の会計慣行および処理を見直し中であることを米国時間7月28日,明らかにした。

 Qwest社によると,同社と同社役員会は今年初めに光通信回線容量取り引きの売上高と会計処理,装置の売上高などに関して調査を始めていたという。

 これまでの調査により,光通信回線容量の取り引きに関して「1999年,2000年,2001年に不正確な会計処理が行われ」(Qwest社),総額で約11億6000万ドルの売上高を水増し計上していたことが判明した。そのうち5億9100万ドルはQwest社と米US WESTの合併(2000年6月30日)後,5億7100万ドルは合併前に処理された数字である。

 さらにQwest社は,2000年と2001年における一部の装置売上高の処理についても「間違いがあった」(Qwest社)ことを認めた。

 同社は新たに契約した米KPMG LLPとともに調査を続け,調査が完了した時点でこれまでの決算の修正報告を行う予定である。同社は早急な調査進行に努めるとしながらも,「会計監査役を変更したことや,証券取引委員会(SEC)の調査が行われていることから,修正報告がいつになるか明言できない」(Qwest社)としている。

 なお,同社は2002年第2四半期の決算と2002年通年の業績予測を2002年8月8日に発表する予定である。

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