米Infonetics Researchが米国時間2月24日,広帯域アクセス装置の世界市場に関する調査結果を発表した。それによると2002年は,DSL用顧客宅内機(CPE)の売上高が17億ドル,ケーブルCPEの売上高が10億ドル,企業向け統合アクセス装置(IAD:Integrated Access Device)とルーターの売上高が45億ドルに達したという。
ADSLモデムに限ってみた場合,2002年第3四半期から第4四半期にかけて,世界出荷台数は37%増,売上高は25%成長した。欧州でDSL加入者が増えたことが主な要因である。
「2001年は,集合型DSLモデム(DSLAM:Digital Subscriber Line Access Multiplexer)の出荷台数が急伸した。2002年は,DSL CPEの出荷台数がDSLAMに迫る勢いで増加した」(Infonetics Research社主任アナリストのJon Cordova氏)
北米のDSLプロバイダは,注力対象をDSLの提供エリア拡大から,サービス拡充へと移しつつある。一方,EMEA(欧州,中東,アフリカ),アジア太平洋地域,CALA(カリブ海地域と中南米)のプロバイダは引き続き,サービス提供エリアの拡大を最優先している。
2002年第4四半期における主な市場動向は次の通り。
・ADSLモデム市場では,ドイツのSiemensが最も大きな市場シェアを獲得した。フランスのThomson Multimediaが僅差で2位につけた
・DSLAM ADSLポート市場では,住友電気工業が2位,米UTStarcomが3位となった
・フランスのAlcatelのNGDLC(Next Generation Digital Loop Carrier System)DSLポートの市場シェアは,2002第3四半期の58%から66%へと拡大した
・ケーブル・モデム市場では米Motorolaが好調である。市場シェア39%を獲得して首位を維持した
・米Vina TechnologiesのT1回線向けTDMベースIADの市場シェアが25%へと増加した
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