米Yankee Groupが米国時間2月24日,無線接続ネットワーク(RAN:radio access network)インフラ市場に関する調査結果を発表した。それによると,携帯電話ネットワーク導入範囲まだ十分とはいえず,途中で通話が途切れるなどの問題が依然として残っている。こうした問題を解決する上で,新規参入企業が活躍するという。

 「通信事業者はRANインフラに多額の資金を投じているが,携帯電話ネットワークのパフォーマンスは貧弱だ。この状況が,新規参入企業にビジネス・チャンスを与え,性能向上を目的としたアフターサービス技術の開発が進む」(Yankee Group社Wireless/Mobile Technologies部門ディレクタのPhilip Marshall氏)

 ネットワークの性能を向上するアフターサービス製品としては,高出力型増幅器,超伝導デバイス,高性能アンテナのほか,各種のネットワーク・プランニングおよび最適化プラットフォームなどがある。

 しかし,「市場参入を果たし,販売チャネルを構築することは難しい」とMarshall氏は指摘する。「RAN技術市場では,地位を確立しているベンダーが収入を確保するために強引な戦略をとっているため,通信事業者は新しい技術を利用することに消極的だ。新興企業が成功するには,自社製品の市場機会,対象範囲,価値提案をしっかりと認識する必要がある」(同氏)

 高出力型増幅器やネットワーク最適化ツールなどのベンダーは,携帯電話業界への浸透を果たしている。市場参入が成功した要因として,市場の需要と一致したことやインストールが容易であることが挙げられる。また,従来製品のコストが高く効率が悪いことも有利に働いた。

◎関連記事
「3Gの展開は予想よりも速く進む」,世界の携帯電話向けインフラに関して米調査会社が発表
レガシーと次世代サービスの両方に対応するために,無線通信事業者のOSSへの投資が増加,米Yankee Groupが発表
「2002年のモバイル・インフラ市場は前年比16%減少,回復は2004年以降」,米調査会社
「世界のモバイル・インフラ市場,2003年に引き続き下降するが,2004年には徐々に回復」,米Dell'Oro Group
米SunやIBMなど6社が,J2EEベースのモバイル向けインフラ構築で“スクラム”
「企業のモバイル導入,技術だけでなく戦略とポリシーを重視すべき」,英調査
「世界の無線とモバイル・インフラのサービス市場,2006年までに374億2000万ドル規模に成長」,米IDCが分析結果を発表

[発表資料へ]