英LogicaCMGは,企業のモバイル活用に関する調査結果を英国時間1月27日,発表した。それによると,多くの企業でモバイル管理能力が整っていないため,社員がモバイルを活用できずにいるという。人事ディレクタの45%は,社員が外出中にきちんと仕事をしているか心配だと回答した。これは,46%の企業がモバイル社員を監視する手法をまったく取り入れていないことが要因だ。

 調査は,500人以上の従業員を抱える英国,フランス,ドイツ,オランダの企業の上級管理職と人事ディレクタを対象にアンケートを実施したもの。

 今回の調査から,ほとんどの企業がモバイル通信のポリシーと戦略を後回しにして,技術の導入を優先していることが明らかになった。例えばトレーニングを実施する場合,モバイル活用に関する社会問題よりも,技術の使い方に焦点が当てられる。英国では,モバイル社員向けのトレーニングのうち,62%が技術の使い方を主旨としており,効果的な通信方法と時間管理に焦点を当てたものは,それぞれ20%と16%だけだった。

 モバイル活用を推進している企業のほとんどが,モバイル社員のインターネット・アクセス状況を監視する手段が不十分か無計画だ。「社員は,外出すると仕事をさぼるなどと理不尽に疑われる。しかし,会議に出席するために出かけなければならない。外出の際に必要なツールがなければ,社員は能力を発揮することができない」(LogicaCMG社mBusiness部門ディレクタのPaul Barker氏)

 また同氏は,「速いペースで開発が進むモバイル技術が,多機能のPDA,マルチメディア対応の携帯電話機,常時接続と組み合わさり,モバイル社員の作業能力を大幅に向上しつつある。企業は技術の導入だけでなく,どのように仕事のやり方を変えるかという戦略に取り組む必要がある。さもなければ,ビジネス・プロセスを即座に効率化する機会を失ってしまうだろう」と述べた。

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