米Forward Concepts社が米国時間11月4日に,世界の第3世代(3G)携帯電話インフラ市場と技術に関する調査結果を発表した。

 調査によれば,世界の携帯電話ユーザー数は2002年の11億人から,年間13.5%の成長率で増加して2006年には20億人に到達すると予測される。しかし,インフラ容量に対する需要は,およそ年間成長率35%で増加すると推測されている。これは,携帯電話向けサービス・プロバイダ間の競争と料金設定が低いプランとともに,無線サービスの加入者による送信時間の増加と使用帯域幅の増加が要因とされる。

 基地局とモバイル交換システムの電子装置への資本投資は,2002年の495億ドルが8.3%の成長率で2006年には686億ドルに増加するという。

 同社は2003年後半に,DSPと半導体技術が,モバイル端末とインフラ市場の両方でソフト無線技術(Software Defined Radio:SDR)の配備に十分対応できるようになるとしている。モバイル端末では,SDRによりユーザーが1台のハンドセットを使って世界規模でローミングが可能になる。インフラでは,同技術により,規模の経済,柔軟な2.5Gから3Gへの移行,柔軟な供給が実現する。残る問題としては,市場の需要,対応無線周波数と混合信号技術,実装コストなどが考えられるという。

 また,日本と韓国における3Gの展開は,既存の3Gインフを元に迅速に展開している欧州に追い越される可能性があるという。無線インフラは,地域ごとの動機によって配備される傾向にあり,日本や中国のように有線インターネットの重要性が低い地域では,成長の可能性が高い。最も可能性があるのは,米国以外だと予測している。

 ベンダー別にみると,2001年における携帯電話向けインフラ装置市場(基地局と交換センターの両方を含む)では,28.3%のシェアを獲得して米Ericssonが引き続き首位を収めている。米Nokiaと米Motorolaがそれぞれ12.7%と12.2%で続いている。

 携帯向けインフラは,DSP(Digital Signal Processing)技術を中心としている。基地のGSMからGPRSへのアップグレードに促進され,プログラム可能なDSPチップのプロバイダとして米Agere Systemsが市場シェア46%を獲得して首位に付いている。Motorola,米Texas Instruments,米Analog Devicesがそれぞれ22.4%,20.1%,8.6%シェアで続いている。

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