米Intelが米国時間2月20日に,同社製プロセサ向けソフトウエア・ライブラリの新版「Intel Integrated Performance Primitives(IPP)3.0」を発表した。Intel社では,「Intel IPP 3.0は高性能なソフトウエア機能や共通APIのライブラリを提供し,さまざまなIntelベース・プラットフォームで動作させるアプリケーションの性能と互換性を強化する」としている。

 ソフトウエア・ライブラリを利用すれば,オーディオ,ビデオ,画像,信号・音声処理などの機能をたやすくアプリケーションに組み込める。Intel IPPは共通APIを採用したクロス・アーキテクチャ・ライブラリであり,異なるIntelベース・プラットフォームで機能を流用できる。「その際,アプリケーションのソース・コードを書き直す必要はないので,開発コスト削減と期間短縮を実現でき,各プラットフォームで極めて優れた性能の提供が可能となる」(Intel社)

 同ライブラリには,マルチメディア/数値処理向け汎用ソフトウエアのサンプルが26種類用意されており,「これらを活用することで開発速度をスピードアップできる」(同社)。さらに,同社製プロセサに最適化したサイズの小さな行列/ベクトル数学関数も備える。

 Intel IPP 3.0は,「Pentium 4」「Xeon」「Itanium 2」のほか,「PXA250」「PXA262」などマイクロアーキテクチャ「XScale」ベースのアプリケーション・プロセサに合わせ最適化してあるという。対応OSは,Windows XP,Windows 98,Windows 2000,Windows ME,WindowsCE,Microsoft PocketPC。複数種類のLinuxにも対応する。

 Intel IPP 3.0の希望小売価格は1個199ドル。10個セット時の単価は155ドル。Pentium/Xeon/Itanium 2対応版は同日より利用可能で,Intel社のWWWサイトまたは小売店で購入できる。Intel PCAプロセサ対応版は,同日よりベータ版が利用可能となる。最終版のリリースは,2003年第1四半期終盤を予定する。

◎関連記事
米マイクロソフトと米インテル,WindowsとIntel PCAベースの携帯電話機コンセプト・デザインを発表
米インテルと米マイクロソフトが携帯用メディア・プレーヤのハード参照設計を共同開発
組み込み向けマイクロプロセサ市場,2001年から年平均17.3%で成長し,2006年には約86億規模
「デスクトップ向けプロセサ市場,2003年まで米インテルの独走が続く」,と米調査

[発表資料へ]