米Intelが米国時間2月12日に,マイクロアーキテクチャ「XScale」をベースとしたマイクロプロセサの新製品ファミリを発表した。最大動作周波数が400MHzの「Intel PXA250 applications processor」と同200MHzの「Intel PXA210 applications processor」である。マルチメディア対応の携帯電話,PDA,テレマティックス機器,無線インターネット対応製品などに向ける。

 「StrongARM SA-1100」後継のマイクロプロセサと位置づける製品で,低消費電力,高性能が特徴。「携帯端末やテレマティックス機器でインターネットにアクセスするために,より長いバッテリ駆動時間とより高い処理性能を提供する」(Intel社Handheld Computing Divisionジェネラル・マネージャのPeter Green氏)

 PXA250は,高性能のハンドヘルド通信機器,テレマティックス・システム,PDAに向ける。PXA210は,携帯電話やエントリーレベルのPDA/無線端末に向ける。

 いずれも「Turbo mode」と呼ぶ動作周波数の制御機能を組み込んでいる。これにより微細な電力制御が可能になるという。「StrongARM SA-1110と同等の処理性能で,ほぼ半分以下の電力しか消費しない」(Intel社)

 このほか,「Intel Media Processing Technology」と呼ぶ技術を用いてマルチメディア処理性能の向上を図っている。これは機器のオーディオ/ビデオ/ゲームの性能を高める技術で,音質の向上, 1秒当たりのフレーム数の増加,先進的なグラフィックス効果が得られるとしている。

 両プロセサに対応するOSには,「Windows CE.Net」「Windows Pocket PC 2002」「Palm OS」「Symbian OS」および各社の組み込みLinuxがある。

 Intel社は両製品のサンプル出荷をすでに始めている。1万個ロット時の価格はPXA250が39.20ドル,PXA210が19ドル。Intel社では,2002年半ばにも両製品を搭載した機器が消費者の手元に届くと見込んでいる。

 なおIntel社によれば,同プロセサへの支持を表明しているメーカーには,台湾Acer,カシオ計算機,米Compaq Computer,DaimlerChrysler社,富士通,Fujitsu-Siemens社,米HP(Hewlett-Packard),日立製作所,NEC,東芝,米Symbol Technologiesなどがあるという。

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