米Intelが台湾の台北で現地時間10月15日に,携帯電話機向けのフラッシュ・メモリーLSI「Intel StrataFlash Wireless Memory」およびマイクロプロセサ「Intel PXA261」「Intel PXA262」を発表した。これらの製品により,「携帯電話機のバッテリ駆動時間,性能,記憶容量の飛躍的な改善に貢献する」(Intel社)という。

 Intel StrataFlash Wireless Memoryは,メモリー素子を多層化する同社の「StrataFlash」技術により,一つのメモリー・セルに2ビットの情報を格納できる。そのため1セル当りの記憶容量が2倍になる。動作電圧は1.8Vで,製造プロセスは0.13μmルール。記憶容量が64Mビット,128Mビット,256Mビットの製品を用意する。

 「多値フラッシュ・メモリーでは世界一低い1.8Vという動作電圧により,これまで最も低消費電力であったフラッシュ・メモリーに比べ約40%消費電力を低減できる」(同社)としている。

 さらに同社は今後,4つのIntel StrataFlash Wireless Memoryを組み合わせることで,1.8V動作/1Gビットの単一パッケージ・メモリーを製造するとしている。

 「より高密度のメモリーをより狭い空間に実装することは,システム・コスト削減,全体的な基板面積の縮小,システムの信頼性向上につながる」(Intel社ワイヤレス・コミュニケーションズ&コンピューティング・グループ担当副社長兼ジェネラル・マネージャのRon Smith氏)

 Intel PXA261とIntel PXA262は,XScaleベースのマイクロプロセサとStrataFlashメモリーを一つのLSIパッケージに統合した製品。同社の「Intel Personal Internet Client Architecture(Intel PCA)」ビルディング・ブロックを使用する無線機器に向ける。「プロセサとメモリーを個別に実装する場合と比べ,Intel PXA261は56%,Intel PXA262は65%実装面積を削減できる」(同社)

 Intel PXA261プロセサの動作周波数は200MHzで,128MビットのStrataFlashメモリーを搭載する。Intel PXA262プロセサの記憶容量は256Mビットで,動作周波数200MHzと300MHzの2製品を用意する。

 「プロセサとメモリーを統合することで,携帯電話機内の部品点数を減らすことができ,メーカーは全く新しい設計やフォームファクタを実現可能となる」(同社)

 1.8V動作/128MビットのIntel StrataFlash Wireless Memoryは,現在サンプル品を出荷している。量産品の出荷開始は2003年第2四半期と見込む。1万個ロット時のメーカー希望単価は17.75ドル。

 Intel PXA261およびIntel PXA262プロセサは,同日よりサンプル品の利用が可能となる。量産品は2003年第1四半期に出荷開始の予定。また,両プロセサを搭載する製品は,2003年の早い時期にリリースされると見込む。1万個ロット時のメーカー希望単価は,Intel PXA261が36.10ドル,200MHz版のIntel PXA262が54.60ドル,300MHz版のIntel PXA262が62.60ドル。

 Intel PXA261とIntel PXA262を使ったハードウエア/ソフトウエアの開発および試作作業を支援するため,Intel社は「DCPXA26x」プロセサ・ファミリ用開発カードを用意している。同開発カードは「Intel DBPXA250」開発システムで利用できる。

◎関連記事
米インテルが無線機器向け新技術「Wireless MMX」など発表,「PCの高機能アプリを無線機器に持ち込める」
米インテル,XScaleベースの新製品ファミリを発表,「高性能,低消費電力」が特徴
米Intelと英Symbianが「Symbian OS」を「XScale」向けに最適化,携帯電話の機能拡張を狙う
Intel,無線携帯端末向けのアーキテクチャ「PCA」を発表
Intelが無線通信向けマイクロアーキテクチャ「XScale」を発表
米クアルコムがマルチメディア機能付き3G携帯電話機用チップセットのサンプル出荷を開始
「2.5Gおよび3Gに成長をもたらす期待のサービスはモバイル・ゲーム」,米企業の調査
富士通と子会社が4スタック型MCP製品を発表,次世代携帯電話に向ける

[発表資料へ]