米OracleとフィンランドのNokiaは,モバイル向けコラボレーション・ソフトウエアに関して,提携関係に入ったことを明らかにした。両社がフランスで開催中の「3GSM World Congress 2003」で現地時間2月18日に発表したもの。Nokia社の携帯電話機向けに,Oracle社のコラボレーション・ソフトウエア「Oracle Collaboration Suite」を提供する。
Oracle Collaboration Suiteは,ボイス・メール,電子メール,カレンダ,ファイル管理,検索などの機能を備えたWWWベースの企業向けソフトウエア。Oracle社とNokia社は協力体制を敷き,これらの機能をさまざまな機器やプラットフォームから成るモバイル環境で利用できるようにする。「Nokia 6800」をはじめ,英Symbianの「Symbian OS」が動作する「Nokia 3650」「Nokia 7650」「Nokia 9200」シリーズに対応する。
Nokia社製携帯電話機に対応したOracle Collaboration Suiteは,初めに西欧市場で利用可能にする。次いで米国とアジア太平洋地域にも対象を広げる。2003年第2四半期に英国でトライアルを実施する予定。またリアルタイム機能を強化した「Oracle Collaboration Suite Release 2」を,2003年第2四半期にリリースする。
Nokia社EMEA(欧州,中東,アフリカ)部門執行バイス・プレジデントのSergio Giacoletto氏は,「西欧市場では,以前にも増してモバイル化が進んでいる。社員が生産性を維持するためには,社内の電子メールやファイルに,場所や時間を問わず自由にアクセスする必要がある。Nokia社と提携することで,モバイル環境で業務を行う企業ユーザーに最適のソリューションを提供できる」と説明した。
米調査会社のiGillottResearchは,モバイル対応コラボレーション・ソフトウエアにより,モバイル社員は1週間当たり5~6時間節約できるとしている。またROI(投資回収)に要する平均的期間は4~6カ月である。
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