英ARC Groupが英国時間2月6日に,テレマティックスと機器対機器(M2M:machine-to-machine)市場に関して調査した結果を発表した。同市場は2007年に1780億ドル規模に成長するという。テレマティックスのデータ通信の売上高だけでも,2002年の35億ドルから,2007年には780億ドルに急増するとみる。

 テレマティックスとM2Mは,自動車や貨物車両,自動販売機,POSシステムに利用され,公共事業や職場,家庭などで導入が期待されている。

 NTTドコモなどの多くのモバイル事業者がテレマティックスとM2Mに力を注いでいる。NTTドコモが携帯電話機で自動販売機を利用できるサービスを導入したことにより,自動販売機関連事業者の利益が増加しているという。その他の導入効果としては,ベルギーのエレベータ・サービス会社Teclionが,遠隔監視システムのおかげで出張メンテナンスにかかる費用を50%削減した。日産自動車は,価格や在庫の情報に無線アクセスすることで,40%の販売コストを節約している。医療系システム・ベンダーの米HBOCは,ウエアハウスで無線を使うことにより,出荷の手違いを80%減らした。

 「テレマティックスとM2Mの魅力的な点は,膨大な事業機会があり,しかもほとんどが未開拓であることだ。人対人(P2P:person-to-person)通信は,先進市場の有線/無線通信チャネルで飽和状態に達しつつあるが,世の中にはまだ多くの“つながっていない”機器がある」(ARC Group社)

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