米Hewlett-Packard(HP)とフィンランドのNokiaがフィンランドで現地時間10月22日に,機器対機器(M2M:machine-to-machine)接続ソリューションについて明らかにした。Nokia社の無線技術をHP社のハードウエアおよびソフトウエアと組み合わせることで,遠隔地からの資産管理を行えるようになる。

 「このソリューションを導入することで,企業は業務プロセスを自動化し,遠隔地にある資産に関わるデータをリアルタイムで入手可能となり,より容易に意思決定を行える。その結果,効率化推進/コスト削減/サービス・レベル向上のほか,顧客向けの新サービスを作ることができる」(両社)

 両社はM2M接続ソリューションについて「当初は,遠隔地からの機器/設備管理や,広範なサービス向け生産チェーンを利用する企業が導入する」と説明する。M2M接続の応用例としては,各種メーターの自動読み取り,セキュリティ用途,エレベータ制御,車両や輸送船などの管理,交通制御システムなどがあるという。

 標準的なM2Mソリューションは,Nokia社の「M2M Platform」に,HP社の「HP ProLiant」サーバー上の「HP-UX」と「OpenView」を組み合わせる。M2M Platformは,機器とインターネット・アプリケーション間のデータ通信を円滑にするための環境を提供し,以下に示す二つを実現する。

・「M2M Gateway」:GSMネットワークと企業のイントラネットとの仲立ちをする。無線接続を確立し,企業のサーバー上にあるアプリケーションと遠隔地の機器とのあいだでIP通信を実現する。

・「GSM Connectivity Terminals」:遠隔地の機器とITシステム間における双方向通信リンクを確立する。M2M Gatewayと組み合わせることで,このリンク上で通信を行うアプリケーションから,無線ネットワークの複雑さを隠ぺいできる。

 一方HP社の管理環境OpenViewは,機器接続ソリューションの一部であるインフラと,機器から送られてくる警告の両方を管理するために使用する。OpenViewは遠隔地の機器からのメッセージ検出し,重要度の割り当て/警告の分類/オペレータへの通知を行う。警告を受け取った際に,何らかの自動動作を行うよう設定しておける。さらに,OpenViewに警告を管理させ,障害管理などを行うアプリケーションと組み合わせての運用も可能である。

 HP社とNokia社によるM2Mソリューションは,欧州で現在利用可能となっている。ほかの地域では,数カ月後に利用可能とする予定。なお,具体的な価格については明らかにしていない。

◎関連記事
イスラエルのConnect One社が各種機器に組み込んでWAP対応デバイスから制御するためのiChipを発表

[発表資料へ]