ドイツのSAP AGが,本土防衛のための包括的なソリューション「SAP Security Resource Management」を米国時間1月29日に発表した。国境防衛,緊急時対応,対応策の実施,情報分析,外部機関との連携といった,ミッション・クリティカルなプロセスを支援する。

 「政府機関は,相互接続性に優れた技術プラットフォームを利用して,関係者,プロセス,技術などを,効率的に組み合わせることができる」(SAP社)としている。

 米Gartner副社長兼リサーチ・ディレクタのJohn Kost氏は「データの共有だけでは,本土防衛の取り組みとして不十分だ。米国政府内の各機関,部署,組織はもちろん,国内および国外の公共団体や民間団体と協力体制を敷き,人材とビジネス・プロセスを統合する必要がある」と,説明する。「本土防衛を最も効率的に行うには,関係者すべてのデータを迅速に統合できる,共通した技術プラットフォームの構築が重要だ」(同氏)

 Security Resource Managementの技術フレームワークはSAP社のアプリケーション統合プラットフォーム「SAP NetWeaver」を基盤とする。NetWeaverをSecurity Resource Managementのカスタム化したツールと組み合わせ,無線アプリケーションやシミュレーション機能を用いることにより,複数機関のミッション・クリティカルなプロセスを統合する。

 またSecurity Resource Managementは,認証やロール・ベースの承認,シングル・サインオン,集中ユーザー管理,暗号化による情報管理,PKI(公開鍵インフラ),電子署名や生体認証(バイオメトリクス)を用いた文書交換に対応している。さらに,大規模な災害回復に向けた無線アクセスや災害状況を把握するための機能も備える。

 「本土防衛に取り組むすべての政府機関は,情報技術に依存している。Security Resource Managementは,低い総所有コスト(TCO)で異種プラットフォームのプロセスを統合できる」(SAP社 Global Public Services部門担当社長のTom Shirk氏)

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